INASOFT 管理人のひとことフリーソフトダウンロードサイト「INASOFT」の管理人 矢吹拓也 が日々の「ひとこと」を語るページです。 2021年1月1日より、旧ブログ(blog.inasoft.org)からお引越ししました。 ・INASOFT Webサイト: https://www.inasoft.org/ ・管理人のふたこと(長文記事/寄稿文): https://www.inasoft.org/talk/ 2022年7月下旬より再び本業多忙化してきているため、更新頻度は落ちます。 [2022/7/24 19:32] Tweet ■過去15年くらいを振り返ってみる2013年 1月 5日(土) 4:52:52 [さくらのブログから転記] |
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「今年1年だけでなく、過去15年くらいは軽く振り返ってみよう」という企画は、去年末に実施すると宣言していた題材でした。 というのも、去年1年間は、そのほとんどを、トレンドマイクロのウイルスバスター連続誤検知問題への対応に当てざるを得なかった1年であるため、薄っぺらく、去年のことだけではネタ切れになってしまうと思われたためです。 しかし実際のところ、文章を書いていたらトレンドマイクロのウイルスバスター連続誤検知問題への想いだけで長い文章になってしまったため、残りの14年分のことは「来年の年始に書こう」と先送りしておりました。というわけで、今日は過去15年分を振り返る題材に取り組んでみようと思います。 あ、実のところ、新年を迎えたあと、このことはすっかり忘れていたんです。 でも、ワンタッチソフトさんが過去を振り返る記事をやっていたのを見て、ふと思い出したんです。 ■INSOFTの始まりは この名前は、冗談から付けられたようなものです。1997年8月に、埼玉県にある伊奈学園総合高校のパソコン部の中の一部のメンバーで、好き勝手にジョークソフト「疑似シリーズ」を作るときに名乗った、架空の組織の名前でした。 そのあたりの話は、「いじくるつくーる」のヘルプファイル内の「ドキュメントライブラリ」の中に、ひっそりと忍ばせてありますので、興味のある方はご覧下さい。 ●いじくるつくーるのダウンロード ●INASOFT誕生秘話 - ドキュメントライブラリ(いじくるつくーるのヘルプ) (ちなみにこの頃の文章は、大学生にもなって厨二病めいていたり、多少上から目線だったりする部分もあったりするんですが、すみませんがそこんところは、勘弁してやってください) ジョークソフト制作は、高校3年生のあと―――大学入試に失敗したあとの浪人生活中(1998年)―――も続くことになります。 当時パソコン部にいて、ジョークソフトを作っていたメンバーは、そんなソフト作りに熱心すぎた余り、そろって大学入試に失敗してしまい、予備校生活を送る傍ら、ストレス発散にジョークソフトの作成を作り続けていたわけです。 当時、構成メンバーの中には、主にインターネットを使っている人はいませんでしたので、INASOFTはWebサイトを持っていませんでした。 ソフトの配布は、「のえるネット」をはじめとする草の根BBSを中心に、各種パソコン通信へ次々転載される形で行われていました。 その中で、東京BBSへ転載されたジョークソフトの内の1つが、雑誌社の目にとまりました。 インプレスさんの「DOS/V POWER REPORT」です。(現在は、インプレスジャパンが発行) 当時、ブロードバンドはおろか、インターネット自体がロクに普及していなかった時代ですから、ユーザーはオンラインソフト一本を入手するにも苦労をしていました。 パソコン向け雑誌は、オンラインソフトを付属メディア(FDやCD)に収録します。ユーザー(読者)はそれを購入することで、オンラインソフトを入手していました。 DOS/V POWER REPORTの編集部も、東京BBSに転載されたジョークソフトを見つけて、収録をするに至りました。これが、INASOFTにおける、ソフトウェアの雑誌掲載の、記念すべき第一号となります。 ただ当時はインターネットもなく、メールアドレスもなく、様々な情報を入手する手段にも事欠いていた時代です。 雑誌に載ったものの、どういった手段で見つけたものか、よくわからなかったので、僕は「DOS/V POWER REPORT」の編集部宛に、「どうやってみつけたものですか?/どういう経緯で掲載した物ですか?」というような質問の手紙を書きました。(すいません、内容はうろ覚えです) すると数日後には、編集部から返事が来ており、その経緯や掲載に至った理由などを教えてもらいました。 僕にとっては初めてのことで、珍しいことでした。 そりゃそうです。雑誌掲載自体初めてですから。書店で売られる媒体に自分たちの架空の組織の名称が載るなんてことは初めてのことですから。 当然、雑誌編集部へ問合せなんて、初めての経験です。 あとから聞いた話ですが、編集部としても、こういった手紙という形での意思疎通は珍しいことでありました。が、大変丁寧なお返事をいただいたことを覚えています。 このときに対応してくださったのが、現在、インプレスウォッチの窓の杜で編集長を務められている中村さんだったりします。 このあと、INASOFTはインターネット進出(1999年)をし、また、その後に作成したユーティリティ系ソフトの人気上昇によって様々な雑誌掲載を行うわけですが、そうなれば多数のトラブルが発生するもの。 ただ、DOS/V POWER REPORT関連の収録時トラブルについては、中村さんが対応することによって、トラブルの火が小さい内に収束していたと記憶しています。今から思いますと、『「対人」の対応をどうやって行うことが適切か』を教わることのできる、大変貴重な機会だったと考えています。 なお、雑誌関係のトラブルについては、もう一回、後で触れることにします。 余談になりますが、先日の読売新聞掲載の際に『インプレスウォッチ(東京)の中村友次郎編集長(35)』と年齢付きで載ったおかげで、僕は中村編集長の年齢を正確に知ることができたわけですが、そういう余談はまた別の機会に。 ■商標事件 これはまだ、僕が大学生の前半の頃だったと思うので、1999年~2001年くらいの話かと思います。 ジョークソフトの内の一つの名称が、ある会社の商標に触れているということで、その会社からクレームのメールが寄せられました。 ジョークソフトの名称なんてジョークで付けられたものだから適当だし、そもそもその頃は不正競争防止法なんてものが存在すること自体知らなかったので、愕然としました。 ってか、ちょっと「疑似シリーズ」の名前が売れすぎたのかもしれません。法律に違反しているとなれば、謝って引き下がるしかありません。 公開しているソフトウェアは引き下げ、大慌てで名前を変更し、該当ソフトを「疑似ワクチン」という名前で再公開しました。 ちなみに、クレームを行った会社は、トレンドマイクロ株式会社と言います。 あれ? ■チェーンメール事件 これもまた、僕が大学生の前半の頃だったと思うので、1999年~2001年くらいの話かと思います。 トラブルは続くものです。こういったものは「有名税」だと、自分に言い聞かせることにしました。そうでないと、やってられない。 疑似シリーズの一つ「疑似アクティブデスクトップ」の第一作目が、説明書ファイルをはぎ取られた状態で、メールに添付されて「チェーンメール」として出回っているとの話を受けました。 説明無しで実行するには、ちょっと冗談過ぎる内容でしたから、ちょっと困りました。 とりあえず、説明書無しで実行しても大丈夫なように作成しなおしたバージョンを「新バージョン」として公開して、旧バージョンは削除したものの、すでに出回り済みの旧バージョンを駆逐できるわけではありません。 そんなときに、「うちで危険ソフトとして検知します」として名乗りを上げてくれた会社がありました。削除はその会社に任せることにしました。 えぇ、それもまた、トレンドマイクロ株式会社です。 あれ? ■いじくるつくーる Wikipediaにも載っているようなので、すでに知られている話かと思いますが、「いじくるつくーる」はver.7に与えられた副題であり、シリーズ全体を通しての正式名称は「Rnsf」と呼びます。 いじくるつくーるについての詳細は、これもまた「いじくるつくーる」のヘルプファイル内の「ドキュメントライブラリ」の中に、ひっそりと忍ばせてありますので、興味のある方はご覧下さい。 ●いじくるつくーるのダウンロード ●いじくるツール誕生秘話 - ドキュメントライブラリ(いじくるつくーるのヘルプ) ちなみに、ドキュメントライブラリ掲載時(ver.6当時)の副題は「いじくるツール」です。ドキュメントライブラリ内を探すときは、その名称で探してください。 不思議なことに、現在でも「いじくるツール」だと思って本ソフトを呼ぶ方は多いようなんですよね。 実際のところ、本ソフトが「いじくるツール」だったのは、ver.6のときだけであり、その期間は 2001年6月~2003年3月までの約1年9ヶ月。 対して、「いじくるつくーる」となったver.7は、2003年3月~現在なので、ざっと9年以上。 後者の方が圧倒的に長いというのに、いまだに「いじくるツール」と呼ばれてしまうのは、ver.6当時のインパクトが非常に大きかったからかもしれません。 ver.7になってからのインパクトが小さいというのは、やはり昨今は、レジストリをいじることの必要性が小さくなってしまった証なのかな、と少し寂しく感じています。 ドキュメントライブラリにも記載のあるとおり、本ソフトは別々に開発されていた4つの機能「ゲームスコア編集」「一般レジストリ編集」「PC環境調査」「ナビゲータ」を統合して作られたものです。 このうち、メインの機能である最初の2つについて、ドキュメントライブラリ記載とは別の視点から、作成の思い出を振り返ってみたいと思います。 ・ゲームスコア編集 ver.2で統合された機能です。 当時のWindows OSは非常に不安定であり、ヘビーユーザーは高頻度にOSの再インストール(クリーンインストール)を行わなければなりませんでした。現在ではあり得ない感覚かもしれません。 また、PCは高価な代物であり、一家に数台も置けるようなものではありませんでした。 当然PCは家族の共有物となります。僕の家のPCも、父がお金を出して買った物でありました。しかし、最も使い尽くしていたのは僕でした。 つまり、「父の金で買った家族共有のPCだが、高頻度でOS再インストールを繰り返している僕がいる」という状態になっていました。 両親はPCを、主にゲーム機として使用しており、つまり、スパイダ ソリティアやマインスイーパで遊ぶということですね。 これらのゲームは記録が残ります。しかし、その記録はOS再インストールで失われます。 ゲームの記録が消えることについて、両親は「べつに、いいよ」と言ってくれていましたが、僕自身は「そこはどうにかして解決できないか?」と考えていました。 そして、Windows付属のゲームの記録は、iniファイルやレジストリに記録されていることを知って、「そこをいじるツールを作れないか?」と考えました。 これが、ゲームスコア編集機能を作ったきっかけとなります。 ・一般レジストリ編集 これが、ver.1から存在している古参の機能です。主に、特殊フォルダのアイコン編集を中心とする機能となります。 当時アスキーから出版されていた、「Windows95を256倍使うための本 Vol.1」という本を読んでいて、「Windowsにはレジストリがあって、それをいじれば色々できる」ことを知りました。 その頃(1998年頃)、開発ソフトは Borland C++ Builder を使っていましたが、ジョークソフトを作る目的でしか使っていませんでした。これをその他の活用はできないかな?と考えているところでしたから、レジストリをいじるプログラムを作ってしまえ!と思い立ち、作ってみることにしました。 そうしてできたのが、特殊フォルダのアイコン編集を行うプログラム「Rnsfldr ver.1」(ReName Special Folder)です。 ソフトウェアの正式名称「Rnsf」は、ここから付けられたものとなります。 ■すっきり!! デフラグ 2000年の9月頃だったと思います。 Rnsf(いじくるつくーる)によるレジストリ編集プログラムの開発にも慣れてきて、他に活用することはないかな?と考えていました。 ちょうどその頃、「レジストリによるスタートアッププログラムの指定」を行う方法を習得したところでした。 また、Windowsでデフラグを実行したときに「スワップの発生により何度も何度もやり直しが発生する」「時間がかかりすぎる」問題の解決はできないかと、考えていました。 この2つを組み合わせた物が「すっきり!! デフラグ」となります。 また、「時間がかかりすぎる」問題については、「デフラグの終了後に自動的に電源を切る」機能によってもサポートすることにしました。 現在、「スワップの発生により何度も何度もやり直しが発生する」問題は発生しなくなっていますから、「デフラグの終了後に自動的に電源を切る」機能こそが、現在の「すっきり!! デフラグ」を用いる上での重要な機能となっているでしょう。 すっきり!! デフラグについての詳細は、これもまた「いじくるつくーる」のヘルプファイル内の「ドキュメントライブラリ」の中に、ひっそりと忍ばせてありますので、興味のある方はご覧下さい。 ●いじくるつくーるのダウンロード ●すっきり!! シリーズ誕生秘話 - ドキュメントライブラリ(いじくるつくーるのヘルプ) また、すっきり!! デフラグのヘルプ内にも、「特集(過去のエピソード)」と題して誕生秘話を書いていますので、こちらもご覧いただければと思います。 ver.3で三分割され、ver.4で再統合された経緯なんかも書いてあります。 ●すっきり!! デフラグのダウンロード ●特集(過去のエピソード) - すっきり!! デフラグのヘルプ ■製品版の話、広告関係の話 2003年の頃だったと思いますが、株式会社アイアールティーより、「すっきり!! デフラグ」の製品版発売の話を持ちかけられました。 具体的には、フリー版はフリー版として作者が公開し続けるが、販売のための権利と同社へ提供するというものでした。 当時、本ソフトを色々な人へ広めるにはどうしたらよいかと考えている頃でしたので、「ソフトを探すには販売店へ行かなければ」と考えるユーザーに広めるには、とても良いチャンスだと考えました。 というわけで、販売のための権利は株式会社アイアールティーへ無償譲渡することとしました(代わりに販売版に関するトラブルは一切引き受けないという契約)。 ただ、このときの無償譲渡というのが、後々尾を引くことになります。 株式会社アイアールティー側からは、元々、金額が提示されてのお話でしたが、本ソフトがフリーソフトであったことや、作者からの一時提供は無償であるべきと考えていたこと、販売版に関する責任を負いたくなかったことを理由に、作者側より「無償提供にしてくれないか」とお願いしたものだったからです。 このときの金額は、けっして安いものではありませんでしたから、「あれはもらっておくべきだったのではないか」と、後々まで悩むことになります。 また、2003年というのは、僕が社会人として歩み始めた年でもあります。 甘やかされた、(親を頼れば)お金に困らない、モラトリアム期間であった学生生活とは異なり、ある程度の自分の生計を自分で立てる必要性に迫られていた時期でもありました。 ずっしりとのしかかる、有利子の学費返済もあります。お金の大切さが、非常に身に染みていました。 次に声がかかったのは、2005年9月頃のことで、JWord株式会社からの同梱のお誘いでした。JWordとはインターネット検索の仕組みの一つを提供する物であり、ブラウザにプラグインされる形式の物です。ソフトを同梱し、インストールに際して「一緒にインストールすることをお誘いし、同時にインストール」することにより、見返りとして一定の金額を作者が得ることのできるサービスです。 当時、ネット上では、JWordはけっして良くない印象を抱かれる企業であり、ソフトウェアでしたので、色々調べてみることにしました。 するとどうやら、過去に非常に強引な手法で営業を行ったり、インターネットの仕組みを悪用した極めて強制的なインストールを行わせる手口が行われていたことを知りました。 ただ、その場で調査する限り、当時はそのような悪質な営業は行われていないということが分かりました。 営業の方に問い合わせたところ、そのような強制的なインストールは行わないよう指導しているとのことでした。 加えて、当時ソフトウェア公開や転載にあたりお世話になっていた様々な方から意見を伺い、「現在ではシロ」という確証を得たため、「すっきり!! デフラグ」や「いじくるつくーる」へのJWord同梱の契約を行いました。 契約するにあたり考えたのは、次の点です。 ・生活費のピンチ(主に学費返済のための支出)を補填できること。 ・当時「現在ではシロ」とした調査結果に対し、当時の悪評は耐えがたいものであったこと。その状況を救うために、世間一般に現在のJWordを(正しく)知らしめる必要性を感じたこと。 (後に書きますが)ソフトウェアの雑誌掲載におけるトラブルと、その後の編集部の努力による解決などを目にすることにより「過去にトラブルを起こしていても、現在は解決しているなら、もう過去にこだわらず許すべきではないかという考え」を持っていたこと。 上記目的を達するには、契約期間は1年で十分と考えましたので、1年契約としました。 また、後者のような目的を持っておりましたので、JWord株式会社へ直接インタビューをしに行く企画を実施するなどし、その誤解を解く活動にも力を入れました。(該当記事は、掲載から1年半経過したため、基本ルールに従い削除されています。現在ではネットアーカイブ上にあるものが参照できます) JWordを同梱したことにより、クレーム割合は増えています。もちろん、かつてあれだけのことをした会社ですからね。現在でもそれが続いていると考える方からのクレームは多いでしょう。それは覚悟していました。 ちなみにクレーム割合は10%程度でした。 僕の想像では、20%くらいのクレームは来るかなぁと考えていたので、それよりは少なかったですが、通常時(5%)に比べれば十分に多い数字だったと言えます。 ですがそのクレームも、次第に減ってきており、誤解を解く活動にも効果が出てきたかな、と考えました。 その後、2006年4月頃のことになりますが、本業の方で、非常に忙しいプロジェクトへ突っ込まれることになりました。 そのプロジェクトは非常に忙しいもので、法律的には非常にゴニョゴニョな感じな労働時間が発生しましたが、運の良いことに残業代は満額でもらえたため、僕の銀行口座は非常に肥えた状態となりました。そして無事に、学費返済は果たすことができました。 加えて、誤解を解く活動の方も効果が出てきたことが感じられましたので、契約期間は当初の予定通り1年で終了とし、JWord同梱は終了となりました。 ■人生の最盛期 僕がソフトウェア作りをしていて「人生の最盛期だな」と感じたのは、2001年に窓の手の作者の猪川正巳さんとお会いできたときだったと考えています。 ●「窓の手」の作者、猪川氏との対談が実現! - 矢吹拓也のいじくるレジストリ(窓の杜) 現在「すっきり!! デフラグ非公式掲示板」を運営されている方と、当時の「窓の杜」の編集部の方の協力を得て、レジストリ編集ソフト最大手の「窓の手」の作者である猪川正巳さんに「名古屋城を案内していただき」「一緒にお食事をし」「取材をさせていただく」機会を得ることができました。 たぶん、ソフトウェア業界広しと言えど、窓の手の作者に名古屋城を案内してもらった作者は、僕くらいしかいないでしょう。至極の喜びを味わいました。 ■雑誌掲載トラブル 先ほども書いたとおり、現在とは異なりブロードバンド主流の時代が来るまで、オンラインソフトの入手方法と言えば、雑誌に付属メディア(FD/CD/DVD)から入手するのが一般的でした。 なのでオンラインソフトと雑誌掲載は、切っても切れない関係にありました。 また、雑誌付録メディアはFD⇒CD⇒DVDと進化し、収録可能なソフト数もどんどん増加していました。 そんな関係にあれば、雑誌編集部のトラブルが続発するようになるのは目に見えています。実際、トラブルは非常に多くなりました。そしてその対応も、編集部や中間業者によりまちまちでした。 すばやく丁寧な対応だったのは、先ほども述べた、インプレスの「DOS/V POWER REPORT」だったわけですが、悪い対応……と考えると、キリがないですね。 その中で、上の「DOS/V POWER REPORT」に加え、とても印象的な対応だったところがあります。 ソフトバンク パブリッシング(現在のソフトバンク クリエイティブ)の、「ネットランナー」という雑誌です。 ここは新鮮な記事を売りにしていましたから、編集部の記事・収録物チェックのスケジュールも非常にタイトなスケジュールになる傾向があり、普通では考えられないような誤掲載・誤記を連発していました。 僕は最初は、誤記を見つけて報告するメールを送る程度で済ましていましたが、回数や密度が増えたり、間違え内容がひどくなるにつれ、だんだんと怒りがこみ上げてきて、そりゃもう、激怒メールを送りつけるなどしていました。 誤掲載率・誤掲載内容のワースト1を挙げろと言われたら、間違いなく「ネットランナー」を挙げると思います。 ですが、ここの編集部との間を取り持ってくれていた中間業者の方の対応が、非常に良かった。 実際のところ、(しかたない事情があるとは言え)記事や収録物に対して連続して誤りをやらかしていたのは編集部であり、中間業者は悪くありませんでした。 ところが中間業者の代表の方が、事細かに事情を説明してくれ、直接会って謝りたいと、近所まで来てくれました。そして、2時間くらい、色んな話をさせていただきました。自ら執筆した本も頂きました。 この頃、僕は社会人になってまもない頃だったと思いますが、「社会人として(たとえ当事者でなくても、中間に入っていたならば)真摯に対応をすること」の大切さを学ばせてもらいました。 ちなみにこのときの中間業者が、有限会社ネオローグであり、代表の方が津田大介さんであり、「え?あの津田さん?」と気づいたのが、ここ1~2年のことだったりするってのは、なかなか面白いエピソードですネ。 ■最近 最近ではブロードバンドの普及やインターネットの一般化に伴って、雑誌掲載はだいぶ減りました。 一時期は1ヶ月に15冊くらいの掲載もありましたが、現在では1年で1~2冊程度でしょうか。 加えて、「いじくるつくーる」のようなレジストリをいじる需要や、「すっきり!! デフラグ」のようなスペックの低さ対応をする需要が、めっきり減ってきたこともあると思います。 さらに、スマートフォンやタブレットPCの台頭により、Windows PC自体の需要が減ってきていることもあるでしょう。 また、JavaScript等によるWeb上のアプリケーションの作成が流行っていたり、インターネット接続を前提としてTwitterクライアント・Facebook投稿アプリなどが主流になっていたりするってのもありますね。 Windows向けの、スタンドアロンなオンラインソフトウェア制作の現場としては、かなり寂しい状況になってきていることを、肌で感じている昨今です。 ■ソフトニック取材の話 少し深く触れようかと思っていたのですが、そろそろ文章量も多くなってきたので、さわりだけ。 2011年3月頃、ソフトニックという会社が、オンラインソフトを不正な形でダウンロードさせているという噂を聞き、この会社を直接訪問して事の真偽を確かめに行きました。 その際、大変紳士的な対応を受けましたので、僕としては問題ないと判断しまして、記事にまとめ、公開しようと思った矢先……3月11日の東日本大震災が発生しました。 2つの事象が重なり、僕としては大変印象深い時期となりました。 震災の影響により、こういった噂話は新鮮みをすっかり失ってしまった状態となりましたが、その後、公開した記事がこちらになります。 ●ソフトニック社を訪問してきました - INASOFT 管理人のふたこと 余談ですが、このときちょっとセンセーショナルな感じで取り上げられていたり、「スペインの黒船がやってくる」とか言われていたり、なんかマフィアっぽいとか勝手なイメージが先行したせいで「ボスは黒猫を抱えてエラそうな椅子にふんぞり返っているんじゃないか」みたいなイメージを勝手に持っていたりしましてね。それを社長と広報の方にお話ししたところ、「次に来られるときは、黒猫を準備してお待ちしていますね」なんて言われたことを覚えています。 ちなみに2012年後半に、これと似たような感じで「ブラザーソフト」という企業が、悪質なダウンロード提供をしているという情報をもらいまして、こちらは「問題あり」と判断しました。 ただ、現在のINASOFTは、例のウイルスバスター誤検知問題に絡み、「ユーザー問題は全て放棄する」方針に転換してしまったため、対応は放置・ユーザーの責任による注意を行い、ブラザーソフトからのダウンロードの場合はサポート対象外とする方針とするだけとしています。 ■トレンドマイクロのウイルスバスターによる連続誤検知問題 最後はコレです。 2012年4月頃、一部のユーザーより「すっきり!! デフラグ」のβ版でウイルス誤検知されているという情報は得ていました。 当時のINASOFTの方針としては、「ソフトウェア間トラブルはユーザー自身による対処とする。ウイルス対策ソフトについても例外ではない」としていたため、こういった声には、熱心に耳を傾けていませんでした。 しかし5月頃「すっきり!! デフラグ」について誤検知報告が頻発し、ユーザーからも「作者で対応して欲しい」という声が高まったため、やむなく作者から連絡を取ることになりました。 ですが5月末、今度は「いじくるつくーる」での誤検知が発生します。これについて、メーカーに問合せを行ったのですが、どういうわけだか「現段階ではご連絡いただいた件について把握できかねる」と回答が来ます。 おかしいと思い、スクリーンショット付きで問合せを行ったところ、全く見当違いな回答が返ってきました。 (他者への回答内容が間違って僕宛に回答された可能性があり、ここへ情報を載せることは情報漏洩に繋がる危険性があるため、あえてその内容には触れません) この時点で、誤検知発生から3日経過しており、ブロックはされたまま(それどころか、誤検知の対象がミラーサイトにまで拡大している)。状況の悪化を認識し、別口よりメーカーに問合せを行った結果、別のスタッフが出てきて、問題は解決しました。 ですが、ブロックが2回目であった点や、問い合わせ対応に問題があった点などを踏まえ、本件をブロック解決では終わらせず、包括的な問題解決を行うよう、メーカーに対応を促しました。また、誤検知があったことをサイト上で知らせて欲しい旨連絡しました。 ……とまぁ、こんな感じで始まった、トレンドマイクロのウイルスバスターによる連続誤検知問題ですが、対応はグダグダ、原因説明は中途半端(文字列処理プログラムのバグが原因とのことだが、解決は半年かかると言われ、その後いつになるかわからないと言われる)、誤検知があった旨のサイト掲載は拒否という状況が続きます。また、バージョンアップをしたわけでもないのに同一URLで誤検知再発とか、問合せを行い「ブロック解除しました」といった翌日にまたブロック再発とか、とにかくおかしな状況が重なり、仕舞いにはトレンドマイクロ社サポートスタッフの開き直りな回答を経て、僕は全てを諦めることにしました。 15年の最後が、トレンドマイクロ社のウイルスバスターによる誤検知の結果というのは、大変悲しいことですが、腐敗しようと発酵しようとトレンドマイクロは国際的大企業であり、そう簡単に消えてくれる物でもありません。とにかく、そういったおかしな対応をする姿勢について、改善を祈るしかありません。 この件については、下記のサイトをご覧いただければと思います。 ●いじくるつくーるがウイルスバスターによりダウンロードブロックされる件 - INASOFT 管理人のふたこと ●INASOFT矢吹氏、度重なるウイルス誤検知の影響により一部ソフトの更新停止を宣言 - 窓の杜NEWS ●ウイルスバスターが「いじくるつくーる」のダウンロードを誤検知してブロック、挙げ句の果てに「オンライン詐欺に関係していることが確認」と表示して作者が抗議 - GIGAZINE ●「いじくるつくーる」作者がウイルスバスターのブロックに激怒、トレンドマイクロが対応するまで更新停止を決定 - GIGAZINE ●ソフトウェア更新の休止について - INASOFT 管理人のひとこと ●INASOFT、全公開ソフトの更新を休止 - 窓の杜NEWS ●「いじくるつくーる」誤検知の原因が誤解されているようだったので - INASOFT 管理人のひとこと ●誤検知への対策として、署名をつけてはいかがでしょうか?について - INASOFT 管理人のひとこと ●ことウイルス対策ソフトにおいて、自分が使わなければ良いは通用しない - INASOFT 管理人のひとこと ●よくある質問:トレンドマイクロの言うことなんて無視すれば / ウイルスバスター使用者のことなんて無視すれば いいんじゃないの? について - INASOFT 管理人のひとこと ●例えばもうひとつの視点:罵倒や中傷を浴びせられ続けてガマンできるか - INASOFT 管理人のひとこと ●作者がウイルス対策ソフトメーカーに問合せをするのは是か非か…? - INASOFT 管理人のひとこと ●結局アレは、なんだったのか。 - トレンドマイクロのウイルスバスター誤検知問題は読み解けるか? - INASOFT 管理人のひとこと ●情報収集のお願い ~他にもトレンドマイクロのウイルスバスター等で誤検知が起きているかどうか - INASOFT 管理人のふたこと ●健全サイトを「詐欺」、対策ソフトの誤検知多発 - 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) ●文字通り新聞沙汰となったトレンドマイクロのウイルスバスター誤検知問題 - INASOFT 管理人のひとこと ●トレンドマイクロのウイルスバスターは何がまずかったか - INASOFT 管理人のひとこと ●あくまでトレンドマイクロ社の社員の良識と自浄作用に期待したい - INASOFT 管理人のひとこと ●ウイルスバスターのトレンドマイクロがマイクロソフトを遮断するとか、何があったのか? - INASOFT 管理人のひとこと 目次の表示: ブログではないので、コメント機能とトラックバック機能は提供していません。ご質問・ご意見等はメール、フィードバックまたはTwitter等からお願いします。いただいたご質問・ご意見などは、この「管理人のひとこと」の記事に追加、あるいは新規の記事にする形で一部または全文をそのまま、あるいは加工させていただいた上で、ご紹介させていただく場合があります。 当サイトでは掲載内容による不具合等に関する責任を持ちません。また、内容の正確性についての保証もありませんので、情報をご利用の際は、利用者の自己責任で確認をお願いします。 |
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