INASOFT 管理人のひとこと


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■AIの出した答えがエビデンスになりうるかという興味深い議論を見かけたので

2025年 5月14日(水) 0:00:00



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先日、X(旧Twitter)で、AIがよく使われていることと、AIの回答をエビデンスにできるかということについて書かれている方がいました。

非常に多く使われているということであれば、それはエビデンスとして採用も可能なんじゃないか?と思いがちですが、実際のところ、どうなんでしょうか。

先月末、AIにC++のプログラムを作らせた時の経験から考えると、確かに9割程度は使えるソースコードが出てきたため、大部分は使えるということになります。

一方で、エビデンスになるのか?というのは、また全然違う考え方になります。この時のことを例にとるならば、

AIが、

BITMAP bmp1;
として定義した変数に対し、
(BITMAPINFO*)&bmp1
という、無茶苦茶なキャストを行っているソースコードを出力したことをエビデンスとして、BITMAP *はBITMAPINFO *にキャストできることは正しいと主張することですね。

BITMAPとBITMAPINFOは全然違う構造体なので、こんなことできるわけがないので、これは誤り。

ただ、なので世の中のプログラマがAIにソースコードを出力させているにしても、妄信して使ってしまう/エビデンスだと思って使ってしまうわけではなく。出力ソースはちゃんと人間等がレビューして/デバッグして、必要な修正を行うってところなんですよね。使っている=エビデンスに使えるとはならない。

でも、大部分は合っているので、そこは使わせてもらう。実際使える。これは大幅な作業時間短縮に役立つ。

合っているかどうかを見極めて、正しく修正する力は、人間側で担保しておく必要があります。もちろん、修正そのものをAIに行わせるのでもよいと思います。

まぁ、生成AIに留まらなければ、そういった「合っているかどうかを見極めて、正しく修正する力」もAIに任せられる日は来るかもしれませんが、少なくとも今は来ていないので。

とはいえ、おそらく将来、AIが出力したソースが

BITMAP bmp1;
として定義した変数に対し、
(BITMAPINFO*)&bmp1
という、無茶苦茶なキャストを行っているソースコードを見せてきて、キャストできるんだと主張する人間が現れるかもしれません。そういった人間は、いよいよ不要な存在になります。

「AIがこういっているのでQEDで~す。はい、論破」と言っている人がいたら、お払い箱です。



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