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■夏に買った時間旅行SF小説を冬に読んだ。30年の社会の変化に戸惑うといえば、ちょうどこの前の

2022年 1月29日(土) 0:00:00



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かなり長い間積読状態になっていた、時間旅行SF小説を、ようやく読み終わりました。

夏への扉

ロバート・A・ハインライン「夏への扉」です。

最初に読み進めるうちは、どこら辺が時間旅行SF小説だか分からなかったのですが、途中から冷凍睡眠の話が出てきて、ああ、冷凍睡眠で未来へジャンプするということか……と思ってもう少し読み進めたら、今度はまさしくSF的方法で過去にジャンプする話が出てきたりとかして、ふむふむ、なるほどなるほど。

この話の中では、1970年から2000年へ、30年の冷凍睡眠をします。冷凍睡眠から目覚めたあと、30年分の社会の違いを痛感させられることになるのですが、その中でも言葉の使われ方が変化していることが触れられています。

劇場そのものが虚無(ヌル)しますからね」という表現が出てきていて、英語ではnullが動詞的に使われるようになったことが示唆されているようです。

現実でも、コンピュータの発展の結果、「ぬるぽ」という言葉が普通に使われる場合があるなど、実は似たような状況になっているのかもしれません。

そういえば先日、30年前に書かれたエッセイを読んで、30年前との文化の微妙な違いについて気づいたわけですが、やっぱり産業革命以降における「30年」という歳月は、すさまじい変化があるんでしょうね。

ロバート・A・ハインラインは言語について深く考えていたようで、次のような一節がありました。

"将来、時間旅行が一般化したら、英語の文法の時制(テンス)は完全に新しい時間旅行用の変化をつけ足さないと役に立たなくなるだろう。そうしたらフランス語やラテン語の時制(テンス)が簡単に思えるに違いない。"

「テンス」って、最近どこかで聞いた言葉だよなぁ…と思いまして、ゆる言語学ラジオの「た2」だったわけですが、なるほど、確かに、時間旅行が一般化したら、時間の流れの中での過去・現在・未来と、自身の経験順序としての過去・現在・未来が入り混じり、さらに仮定や希望なんかも入り混じったりして、それはそれは大変な時制(テンス)が生まれそうな気がします。

あ、ちなみに、本当に時間をジャンプするタイムトラベルと、長期睡眠によるタイムトラベルの両方が出てくる作品、他にもあったよなぁと思って振り返ったら、魔法少女りすかの最終巻でした。

魔法処女りすか




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