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■新明解国語辞典の面白い話を知りたくて買ったんだが、後半の話もなんだか面白かった

2022年 1月19日(水) 0:00:00



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たしか、ゆる言語学ラジオがきっかけだったと思うのですが、過去の三省堂「新明解国語辞典」の【恋愛】(れんあい)の語釈が面白いということが話題になっておりました。

たぶん、ググるといくつか出てくると思いますが、話題になっていたのは、次のようなことが書いてあったという話。

特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態新明解国語辞典 第四版(1989年)

「出来るなら合体したい」とか「(まれにかなえられて歓喜)」とか、なかなかすごいことが書いてある辞書があるんだなぁということで話題になったのですが、これ以外もいろいろすごいとのこと。そういったことがいくつも、面白おかしく書いてある本が、平成8年(1996年)に出された本「新解さんの謎」(赤瀬川原平・著)でした。

新解さんの謎/赤瀬川原平

この本では、SM君(鈴木眞紀子氏)に紹介される、新明解国語辞典のおかしい(=面白いという意味でも、変という意味でもOK)語釈を、ユーモアあふれる言葉で切っていく筆者という形で展開していきます。上記の【恋愛】(れんあい)もその1つで登場し、新明解国語辞典を仮に人間(新解さん)とするならば、どんな(ゆがんだ)人間性なのかということを掘り下げていきます。

他の辞書ならもっと、少ない言葉で書かれているだろうに、この辞書では、こんなことまで書く?何だこの物語じみた用例は?というものが多く登場するのが分かります。

ここまでが前半の内容。後半は「紙がみの消息」という、紙にまつわるエッセイになります。

この内容は、平成4年(1992年)ごろに書かれたもののようですが、当時の人々のモノの考え方の一端がつかめるような気がして、なかなか面白い。令和4年(2022年)との違いって、けっこう大きいのではないか。

例えば、

  • 昔は、街角で配られるビラやチラシを、普通に多くの人が受け取っていた。現代では、基本的にはティッシュでも付けられていなければ無視されてしまうだろう。(10年前なら結構クリックされていたWeb広告も、現代ではほとんどクリックされないことに似ているかもしれない)
  • 昔は「女性用の名刺は(男性用の名刺と比較して)小さいサイズで作っていた」という時代が存在した模様。また、この時代は木や紙を使わない事こそエコだった。
  • 「最近の生ゴミみたいなテレビ」という表現が出てきていた。もしかして、昨今「最近のテレビがつまらない」と聞かれるのは、ネット普及時代だからではなく、実はこの言葉はいつの世でも常に言われていることなのかもしれない。(「最近の若者は…」という愚痴をよく聞くが、実はこの言葉はエジプトのパピルスにも登場するという。常に言われていることらしいことに似ているかもしれない)
  • 昔は、銀行で口座を作っていれば、毎年末に銀行の手帳を送ってきてくれる時代があった。今ではせいぜい、口座開設時にティッシュをくれる程度。令和時代は、銀行も貧困化していることがよく分かる…。
  • 当時より、「新聞が電話回線を通じてきて画面に表示されるので、新聞配達は不要になる」くらいはマジメな話として語られていた。この流れが進めば、電子チップ(少額の心づけ)をボーイに渡す日も来るのではないか…とも語られており、多分、仮想通貨の決済ということで現実化しているとも言えるかもしれない。さらに延長線上の話として、電子賞状・電子卒業証書が渡される時代も来るかもしれない…と予想されているが、残念ながらその時代はまだ来ていなさそう。
  • 「新聞が電話回線を通じてきて画面に表示される」は、現代では各新聞社が電子版の発売をしているし、もっと前からYahoo!ニュースなどでインターネット経由のニュース配信をしている。この話の延長で登場するジョークとして「電子写真交換」に触れ、絶対に来ることは無いだろう…と書かれているのだが、現実には「写メール」として、かなり早い段階で「電子写真交換」が現実化してしまった。

当時の世相の一端を触れられた気がして、かなり楽しかった。



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