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■銃が出てきたら使われないといけない……となると、あの不自然な母親の登場は…?

2018年 7月 4日(水) 0:00:00 [さくらのブログから転記]



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つい最近、……だったと思うのですが、何かのドラマかアニメか小説か…の中で、こんな台詞がありました。

銃が出てきたのなら、それは使われないといけない

あとから知ったのですが、これは「チェーホフの銃」という、物語の創作上のルールというか、面白くするためのテクニックというか、ある意味で「作者と読者との間の約束事」みたいなものなのだそうです。

これは銃に限らず、あらゆる道具、人物に対しても言えることだと思うのですが、ここでふと思い出したことがあります。

多分、Leaf作品の「ToHeart」だったと思うのですが、シナリオの途中で、一人暮らしをしている主人公の家に、海外出張中かなんかの母親が帰宅してくる話があったかような気がします。

ただ、その母親は特に何をすることもなく、物語の進展に一切の影響を与えないまま、物語は終了していったような気がします。

「チェーホフの銃」のルールに従えば、その母親が登場するなんらかのイベントがあっても良さそうなもんですが、そういうこともなく。当時は「チェーホフの銃」なんて言葉は知りませんでしたが、不思議と違和感は覚えました。

その当時、先輩に「なんでこんな、意味を成さない人物が登場するのか不思議だ」と言ったところ「それは多分、主人公が『ごく普通の高校生』であることを明確にするために登場させたんじゃないかな」とのこと。

まぁ確かに、ずっと親が登場しなければ、それを以て「不幸だ」とか「普通の高校生とは違う存在なんだ」と思ってしまう人もいるかもしれない。母親がいる、ごく普通のありふれた高校生の日常生活なんだと描くことは、意味がなくもないかも知れない、と。


似たような、物語創作上のルールの一つに「ノックスの十戒」というのもありました。

この言葉は、「うみねこのなく頃に」というアマチュア製作のサウンドノベルをプレイしたときに知った言葉でした。

読者も知らないような毒薬や難解な科学要素を物語に持ち込むなとか、第六感を登場させるなとか、探偵を犯人にするなとか、双子を読者の知らないところで使うなとか、そういった、作者と読者との間の暗黙のルール設定です。これがないと、推理小説を読む上で、読者が安心できないので。

僕はこれを「うみねこのなく頃に」であえて登場させたのは、「ひぐらしのなく頃に」に対する物語上の批判を念頭に置いたものなんだろうなとおもったものでした。

読者の知らない毒薬にしても、第六感的なことにしても、双子の登場にしても、いくつかを明確に違反していたので。

ただ、「ひぐらしのなく頃に」は推理小説ではないので、仕方がないんですけどね。

とはいえ、あの物語を推理小説だと思って読んだ人は少なからずいたでしょうから、「ノックスの十戒」観点で大批判したい人がいたとしても、それはそれで仕方がないかも知れません。



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