INASOFT 管理人のひとこと

先日のお話の補足その２。

誤検知の件に関連しまして、「なぜドメインを変えたのか？変えたから誤検知が起きやすくなったのではないのか？」という意見を見かけたことがありました。

が、それもまた結果論でしかないんだと思っています。むしろ、当時は逆のアドバイスをもらっている状態でした。

連続誤検知が発生していた当時は、多くの方から、多くのアドバイスをいただいていました。もちろん、その全てがありがたいものです。

ただ、その中には、今から考えれば妥当だったものもあれば、妥当でなかったものもありました。

しかし、妥当だったか、妥当でなかったかなんて、原因が発表された今だからこそわかることでしかありません。

あるアドバイス曰く、同人ソフトの配布サイトと同じドメインなのがいけないんじゃないか、と。

例えばこんな理由。

同人にはエロが多くて（うちはエロは作っていなかったけど）、だから、エロに関連する作品と誤認されて誤検知が起き続けているんじゃないかというアドバイスでした。当時はあんな精神状態でしたから、正直、藁にもすがる思いのところはありました。

他にも細かい事情はありましたが、最終的には、アドバイスに沿い、ドメインを変えました。

で、結果は皆さんご存じの通り、大ハズレでした。すごく手間をかけてインフラ構築をやり直した感はあったから、今更戻れないけど。

別にアドバイスが外れていたことを恨みたいということではありません。あの当時は、情報が足りない中でいかにもっともらしい解決策を選べるか、しかなかったのです。

だから、「安易にドメインを変えた」などと責められたくない、ってのはあります。当時はあれで精一杯だったし、アドバイスをくれた人も善意だったんだし。

ドメインを変えようが変えまいが、発生頻度が変わらなかったってのが残念なところですね。

ちなみに現在の、「正解がすでに知られている状況」から考えれば、「そもそも何かを評価されて、誤検知が発生していた」という発想自体が誤りだったので、僕らに何かができたわけではなかったということになります。

結局、エンジニアが原因調査を早く終わらせ、対策を早く打たせるために、ケツを叩く手段をあれこれ考えるくらいしかなかったのかもしれません。

ただ、当時を振り返ると、どうやら日本の担当者レベルではどうしようもなかったみたいですね。本国のスタッフの助けも得ないと解決できなかったみたい。

なので、社内の部署の壁や国境の壁を乗り越えさせて、社員同士を連携させて、共同で問題解決に当たらせる・・・ような状況を作り上げることが必要だったみたいです。

当時、１被害者であり、しかも情報が大幅に制限された状況にいた自分にそれができたかどうか・・・どうすればそうさせることができたのか・・・正直、難しいです。

となると、社員と家族を利用禁止とする措置を発表し、大手メディアが報じる状況を作り、マネジメント層や経営層に事の深刻さをわからせる手段を講じたのは、実は一番良かったのかも知れません。実際、これにより役員クラスの知ることとなり、トップダウンで問題解決が図られたわけですからね。

解決に１年半かかってしまったけれど、後から考えると、社内体質改善を含む各種手段を講じないと、そもそも問題は解決しなかったのかもしれないので、１年半は必要な期間だった・・・ということになるのかもしれません。