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■虚数(想像数)って?

2011年 2月 6日(日) 7:16:43 [はてなダイアリーから転記]



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いちおう大学は数学科出身なもんで、数学ネタとか書いてみようかと思ったりなんかしました。

まぁ、卒業から8年も経過しているので、勉強で覚えていることなんか、ほとんどないですけど--;

というのも、先日、会社で「コンプレックス」って言葉が話題に出まして。

どうやらコンプレックスって、「キライ」みたいな意味があって、「マザーコンプレックス(マザコン)」「シスターコンプレックス(シスコン)」「ロリータコンプレックス(ロリコン)」などで使われているコンプレックスも、心理学用語的な意味で、本来はキライだったはずのものが、逆に好き・離れられないみたいな意味になったんだよ、というようなことを教わりましてね。

調べていくうちに、そういえば、complex(複合)って、Complex Number(複素数)って言葉に使われていたな…と思い始め、そこからどんどん脱線し始めました。

複素数は、僕の頃の学習指導要領では、高校2年の「数学B」で習いました。

高校までの算数&数学の中では、計算が行き詰まると「数の拡張」というのを行っていきます。

  • とりあえず自然数と0については、当然知っているものとして決める - 面倒くさいので「非負整数(non-negative integer)」と呼びますかね。
  • 「非負整数」を「非負整数」で割ったときに割り切れない数になったときの表現手段として「分数(fraction)」を定義する
  • ある「非負整数」と次の「非負整数」の間にある量を表す手段として「小数」を定義する

こんな感じでしたっけ。小学校の時のことはあまり覚えていないんですが、小学校ではこんな感じで数を拡張していったと思います。

そういえば、分数と小数には対応関係があることや、一部の分数は循環小数で表されること(1/3=0.3333…)や、分子>分母となる分数を帯分数として表すことなんかも思い出しますね。

次に中学校に入ってからは、

  • 減算をしようとして「引く数>引かれる数」となる場合のために、「負数(negative number)」を定義
  • 負数が定義できたことで、負の整数が定義でき、「負の整数」と「0」と「自然数」を併せて「整数」ができます。

そういえば、代数の超々基礎も、中学校で習うんですね。

んで、最後に、高校に入ってから、

  • 負数の平方根を求めるために「虚数(imaginary number)」を定義

します。あ、そういえば、「行列(matrix)」の概念も高校3年(数学C)で出てきていましたっけ。

まぁ、いいや。

とにかく、高校までの算数&数学で行われていく「数の拡張」の最終段階として、負の数の平方根を定義しないと計算が立ちゆかない場面が出てくるということで、虚数を定義しようという話になります。

「虚数」に対して、これまで習ってきた数を「実数」と呼ぶのですが、この虚数と実数を組み合わせた数のことを「複素数」と呼ぶんですね。

複素数が登場するおかげで、あらゆる二次関数には1個または2個の解が確実に存在することができるし、科学的・物理学的にも重要な様々な計算ができるようになります。

さてさて、ここで思うのは、どうも、新しく拡張された数って、だんだんと悪い印象な言葉になって言っているような気がしますね。

「小数」「分数」あたりは、まぁ、意味の通った名前になっていると思いますけどね。それから「整数」って、整った感じがしてポジティブですが、それを除くと・・・

負数って、負けているし。(英語にしたってネガティブ=否定的だし)

虚数って、ウソみたいだし。(英語にしたって、イマジナリー=想像だし)

ちなみに負数の反対語は、勝数ではなくて正数(せいすう,positive number)ですね。

まぁ、確かに日常生活で負数を利用するときは、ネガティブな意味合いで利用することが多いから、しょうがないかもしれないですけどね。

虚数(想像数)ってのは、どうなんでしょうね。

だいたい、数学的に想像の産物で語るとしたら、そもそも、小数や分数の段階で想像が出てきているような気がしますけどね。

例えば、1個のリンゴを2人で分けようとして、0.5個ずつに分けるとしても、実際には0.5個にぴったりキレイに分けることなんかできるわけがなくて、つまり想像でしかなくて、0.5にとても近い超越数的な割合で分け合うことになるんでしょうし。

ああ、そういえば、無理数(irrational number)/超越数(transcendental number)を語り忘れましたね。分数にできない小数…例えば2の平方根とかは無理数で、有利係数の代数方程式の解とならないような数(πやeなど)を超越数というんですが、まぁ詳しくはウィキペディアで調べてくださいな。

それにしても「無理数」って言葉もどうなんでしょうね。何かが無理みたい(これはウィキペディアにも書いてあった)な気がする。

有理数(rational number)/無理数と言った場合の「理」って、どういう意味で使われているんだろう。

「rational」の意味を調べてみると、「理に適った」という意味であることが分かります。おそらく昔の人は、「比」で表せることを「理に適っている」と考え、「比」で表せないことを「理に適っていない」と思ったんでしょうね。それにしても「無理数」=「理に適っていない数」ってのも、なんともまた、ネガティブな表現ですね…。

最後に超越数の「transcendental」なのですが、「一般の常識を越えた/経験・信念を超えた/異常/超自然的な」といったような意味があるんだそうです。

実際、世の中に存在するモノを計測したときって、もし近似しなければ、観測結果として超越数が得られることが多いんじゃないかと。そういう意味では、むしろ常識的で、経験則的で、正常で、自然的な数って気がしますね。

しかし、我々人類は、まだ、任意の数が「超越数」であるか否かを確実に判定する手段を持っていないんだそうです。そういう意味では、たしかに超越的と言えるかもしれませんね。





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