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■USB充電器をGaN採用のものに変えているけど、そもそも何故、こっちの方がいいと言われるんだろ?

2024年 4月23日(火) 0:00:00



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今までのUSB充電器(上)から、GaN採用のUSB充電器(下)への置き換えを着々と進めてます。


…と、進めてるのはいいんだけど、GaN採用のものだとなぜ良いと言われるのかは、正直なところ、よく分かっていないことに気づきました。
電力変換効率が良いとはいうけど、どういう原理で、何がどう、良いということなのか?

気になったので調べてみることにしたんですが、そもそも半導体絡みの分野は奥が深すぎて調べきれません。

とりあえず、感覚的なレベルではあるものの、なんとなく理解できてきたので、メモがてら書いてみることにします。

まず、GaN採用の話をする前に、GaNの前には何が使われていたのか?という話をしておく必要があります。
これはSi(シリコン=ケイ素)です。
ちなみに、調べている過程で、シリコン(Silicon)とシリコーン(Silicone=有機ケイ素化合物)という別物を指す言葉が存在していることを知りました。
半導体に使うのは超純粋なケイ素の単結晶構造(そこにわずかに不純物を混ぜて電気の流れを制御する)なので、シリコンの方の話になります。
その超純粋なシリコンへの不純物の混ぜ方により、プラス(p=ポジティブ)寄りの半導体とマイナス(n=ネガティブ)寄りの半導体を作って、それを組み合わせて電気の流れを制御しようって話ですね。

半導体は、条件(電気信号)に応じて電気を流したり流さなかったりの制御ができるようにする材料が作れて、材料にはn型とp型があって、それぞれを頭良い人が組み合わせて、特定方向だけに電気を流したり、電気信号が加えられているときだけ電気を流したりが作れます。これを応用するとNOTとかANDとかORとかの1ビットの回路が作れて、それを複雑に組み合わせると半加算、さらに複雑に組み合わせて全加算器が作れて、どんどん複雑に組み合わせていくと人間が必要とする計算ができて、果てはAIまで作れちゃったりしますが、それとは別に、電気信号を流したり止めたりを超高速に断続的に繰り返す超高速スイッチも作れます。
それこそ、1秒間に10万回とか数億回のレベルで切り替えられるようなスイッチを作れます。
素早いスイッチでできる断続的な電気の流れをコンデンサで受け止めると、程よい電圧に落とせる仕組みが作れて、100Vの電気を5Vに落としたりできるわけですね。
ただし、スイッチのON↔︎OFFにはマイクロ秒(100万分の1秒)レベルだが時間がかかる。時間がかかる部分は電力損失になり、損失分は熱に変化する。
1回の損失分はわずかだけど、1秒間に10万回とか数億回起きていることなので、チリも積もれば山となる。
電気(=電気代)は無駄になるし、無駄な熱が発生する。

で、従来(Si)の半導体よりも、窒化ガリウム(GaN)を使った半導体だとスイッチON↔︎OFFがすばやく切り替わるので、電力損失が少ない…と、いろいろ読んで、さっき理解した。

ちなみに、「スイッチのON↔︎OFFには時間が」の時間は、超高速スイッチの回数が増える/減るではなく、スイッチをONからOFF、OFFからONを切り替えた時に、いかに流れる電流の量を規定値まで変化させられるかという速さのことを指しています。

GaNを使ったUSB充電器の場合、余裕があるので、むしろスイッチな回数は下げるようにしているみたいですね。

GaNの加工は難しいので、GaNを使った機器は高価になるんですが、現代は世界中の人がスマホを使っていて、充電器も山のように売れていて需要があるし、金を出してでも電力損失をなんとかしたいと思う人が多い(冷静な判断というよりは、ガジェット好きが高じていて買っている人すらいる)という市場になっているということもあり、かなり割高であろうとGaNの充電器が売れるようになっているというわけですね。


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