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■製品の技術的評価よりも上にあるメーカーor所属する国の評価の問題。カスペルスキーの件

2022年 3月30日(水) 0:00:00



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少し前に、一部の日本メーカーのルーターに、カスペルスキーによるセキュリティチェック機能があって、その機能を使うにあたって「ロシアの法律の下で同意する」みたいなチェックボックスがあって、同意に躊躇する、というツイートを見かけました。

今、ロシアの法律は、変な感じでどんどん改訂されて言っていると聞きますからね。

カスペルスキーが信頼できたとしても、その上にある国が信頼できなくなる状態をどう捉えるか。

そして先週末のニュースで、米連邦通信委員会がカスペルスキーを安全保障上の脅威に指定したというニュースがありました。

これに対して同社では、「製品の技術的評価に基づくものではなく、政治的な理由によるものだ」として失望を表面していました。

製品の評価は、製品に対する技術的な評価のみによって決めてほしいということについては、たぶん、15年前の自分だったらそう言っていたかなと思います。純粋無垢な当時の自分だったら。

ただ、10年前の事件を経験した自分にとっては、世の中そんな純粋にはできていないと思えてまして。

この問題のときも結局、「 "そのメーカー" が作るセキュリティソフトに全幅の信頼を寄せて良いか?」「そのメーカーは信用おけるのか?」ということに帰着したかと思います。技術的なソフトウェアの出来云々よりも上位の問題として、その作り手は信用できるのか?その作り手が所属する国は信用できるのか?みたいな問題が存在することは確かかと思います。

過去に、あるVPNソフトウェアの開発者の1人が不正を行なっていたのを受けて、(実際にその作成部分に不正があるかは置いておいて)その人が作った箇所全体の置き換えが行われた、ということもありました。

この時も、結局、作り手は信用して良いのか?になっていたわけですね。

逆もよく使われるテクニックです。日本産のセキュリティ製品だから安心です!ということを謳い文句にしている製品もありました。というか、セキュリティ分野に限らず、食品分野なんかでも、国産(日本産)だから安心です!国産だから美味しいです!という表現もよく使われ、その製品(食品)そのものの評価よりも上位の存在として、その国のものだから安心かどうか?をまず評価するということもあります。

今回の件は、それの裏返しなわけですね。

消費者は、国産なら安心のはず、と、内容をあまり精査せずセキュリティを任せるという人や企業も多いし。

仮にあの時のあの企業が、「あんな対応」をする企業ではあったが、仮に完璧なセキュリティソフトを作っていた場合、技術的評価では素晴らしいからと、他のあらゆる要素を切り離してそのソフトを選択することがあり得たか?というと、多分あり得なかっただろうなと思うわけで。



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