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■『おもひでぽろぽろ』と『分数の割り算』

2022年 2月13日(日) 0:00:00



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中学の頃。
通っていた塾で、女子生徒が「おもひでぽろぽろ」と書かれたTシャツを着てきたことがあった。

先生がそれを見て、「おもひでぽろぽろ」とは何か?と尋ね、女子生徒が「こういう名前の映画です」と答えると、「どういう映画?思い出してぽろぽろ泣いちゃう映画なの?」と聞いていた。

それを見ていた僕は、なんとなく、言葉は悪いが『ロリコン教師が女子生徒相手に言葉遊びをしている』ように感じられてしまったのだけど、今から思うと、生徒とのコミュニケーションをするために、分からない映画の名前から頑張って言葉を紡いでいたのかな?という気もする。

なぜこれを急に思い出したのかは分からないけど、「おもひでぽろぽろ」って、そういえば、観たことがない映画だなと思った。

言わずと知れた作品………かどうかは分からないけど、高畑勲監督のジブリ映画おもひでぽろぽろ」である。
僕はだいたいのジブリ作品……特に宮崎駿監督の作品はだいたい観ていると思っている。高畑勲監督の作品でも、平成狸合戦ぽんぽこや、かぐや姫の物語は観ている。「おもひでぽろぽろ」を観ていないことは、なんだか心に1つ穴が開いている様な状態に感じられて、急に気になってきたので、「おもひでぽろぽろ」を観ることにした。

主人公の女性が会社をお休みし、田舎暮らしの体験をする。と共に、小学校高学年の時代の記憶が自然と思い出されて、田舎暮らしの様子と小学校時代の思い出を並行に描いているような作品だった。
BGMについても、当時を自然と思い出させるようになっていて、これなら、思い出してぽろぽろ泣く人も出てくるかもしれない。

ただ、途中、あるシーンで、急に見覚えがあることに気づいた。女子だけが教室に集められて説明を聞くシーン。
それから、エンディング間近に、主人公が田舎に引き返していくシーン。

これら2つのシーンには見覚えがあった。
多分、「おもひでぽろぽろ」は、昔一度観ていたっぽい。
でも、他のシーンについては全然思い出せなかった。

ちなみに、改めて観て印象深かったのは、算数のテストで酷い点数を取ってしまったというシーン。
分数の割り算をするとき、どうして「分子と分母をひっくり返して掛け算になるのか?」「割っているのに、なぜ数字が大きくなってしまうのか?」を理解できず、理解できないことにこだわってしまい、算数を理解できなくなってしまった。
そこから主人公が得た教訓は、分数の割り算がうまくできたら、その後の人生もうまく行く、というもの。
細かいことにこだわって先に進まないように、ルールはルールと無理やり飲み込んでとりあえず先に進んだ方が良いという教訓だ。

そういえば、自分の時はどうだったろう?
自分の場合、算数・数学は、高校卒業まではできていた。大学には数学科へ進んだ。
高校卒業までは、算数・数学には、どちらかと言えば強い方だったと思っている。
そして大学では、脳内が理屈だらけ&大学数学の概念が受け入れられなくて、2年間くらい詰んだ。 ε-δ論法が分かってきたのも、群・環・体が分かってきたのも、選択公理が分かってきたのも、大学3年になってからだった。

分数の割り算は、小3か小4くらいで習ったと思うけど、自分は算数の演算ルールを、数字遊びだと思って取り組んでいたので、「分子と分母をひっくり返して掛ける」ことには一切の疑念を抱かず楽しんでいた気がする。

割っているのに大きくなるのはなぜ?」なんて疑問は、「鬼ごっこの鬼は、なぜ嫌われなければならないのか?」に疑問を抱くくらい、どうでもよいことだったと思う。そんなこと悩んでいるうちに、鬼に捕まってしまうだろうし、鬼ごっこを嫌いになってしまうだろう。
算数も同じで、「分子と分母をひっくり返して掛け算になるのか?」に疑問を抱いているうちに、テストの問題は解けないし、算数が嫌いになってしまう。

幸い、自分の場合はそんなことが起きなかったので、ルールだけを理解して、遊ぶようにして算数に取り組めていた。

小5の時に初めて、「割っているのに大きくなるのはなぜだろう?」と思ったものの、その時には、手を動かせば問題が解ける状態にはなっていたので、支障はなかった。
後々「割る数と割られる数の割合を見た時に、割られる数を1とした場合に対応する数なんだな」ということになんとなく気づいて、疑問も自然消滅していった。

つまり、「20対2」(以下、20:2と表記)が「10:1」と割合的には同じように。20÷2は10÷1と同じように。あるいは、「10:5」が「2:1」と割合的に同じであるように。
右側の数字を1にする操作が割り算だと思うようにした。

12÷3 → 12:3 →(右側の数字を1にするように比率を変化させる)→ 4:1 →だから 12÷3 = 4 みたいな考え方。

10÷ 1/3 → 10: 1/3(右側の数字を1にするように比率を変化させる)→ 30:1 →だから 10÷ 1/3 = 30 みたいな考え方。

この考え方なら、小数が出てくる場合でも、

10÷0.5 → 10:0.5 →(右側の数字を1にするように比率を変化させる)→ 20:1 →だから 10÷0.5 = 20
10÷2.5 → 10:2.5 →(右側の数字を1にするように比率を変化させる)→ 4:1 →だから 10÷2.5 = 4

負の数が出てきたあたり(算数から数学にアップグレードした段階)では、もはやこのような、理屈を考える方法は適さないけど、まぁ、無理やり考えれば

10÷(-2) → 10:(-2) → -5:1 → だから10÷(-2)=-5 といったところか。

と、ここまで考えてきたわけだが、高校2年で習った虚数(複素数)の概念をこれに適用しようとすると、どうなるんだろう?
この考え方は、数直線(1次元)内での割合を前提にしているから、わけわからなくなりそう。

2/ii/i×i2i/-1 =-2i

なわけで、虚数単位 i で割る操作は、- i を掛ける操作に等しいわけですが、なんだか、改めて考えて見ると、これってすごいですね。

うーん、極形式で考えて、割り算は-90°回転という考え方に無理やり繋げるか……。

まぁ、こういうのは、数学のルールに理屈を当てはめて考えるが楽しい現実世界の量と繋げて考えるのが楽しいと思えるようになった後に取り組むのが一番良いですね。



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