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■突然死したOSS、オワコンと言われ続けたフリーソフト、なんだか世知辛い世の中で

2022年 1月12日(水) 0:00:00



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昨日、人気OSS「colors.js」と「faker.js」の開発者が嫌気がさしてライブラリを破壊という報が飛び交っていました。リンク先には、嫌気がさすに至る事情に触れられています。こちらにも。

そういえば、だいぶ前のことになりますが、シェアウェアの不正キー問題に苦しめられていた作者が怒り、不正キーを入れたらCドライブを破壊する仕組みを仕込んで大問題に発展した事件があったことを思い出しました。WinGrooveの件Vocal Cancelの件

人気なソフトウェアが、こういった事情で開発放棄…になるだけならまだしも、利用者に突然牙を剥き始めるというのは、普通に起こりうるリスクではあります。OSSだけでなく、フリーソフトでもシェアウェアでもそうですが、無償開発だったり個人開発だったりするものに多くの人や企業が依存している状態なら、発生確率も高いのかもしれません。

私も、牙を剥くことはないものの、「いじくるつくーる」の開発を終了させてますしね。「すっきり!! デフラグ」も、明確な宣言をしていないまでも、実質的に開発は止まっています。
過去には、特定の環境…というか利用状況に対して警告を出す仕掛けというのも入れたことがありました。(このケースの場合は、批判よりは、称賛の声の方が大きかったようですけどね)

ただ、「いじくるつくーる」や「すっきり!! デフラグ」の場合、開発を終了 or 実質的に終了した時点で、『人気』だったのかどうかは、分かりません。

とある事情から多量のエゴサを行っていた時期があったのですが、某巨大掲示板では2012年の時点で、これらのソフトを『オワコン』呼ばわりしている人が多数いましたので、たぶん2012年時点で需要は失われていたのだと思います。「いじくるつくーる」の終了宣言は2016年の事でしたので、私は少なくとも4年間に渡って、人気のないソフトウェアをメンテナンスし続けていたということになるかと思います。

人気な状態のソフトウェアがある日、作者の意図(怒り)で突然死したり利用者に牙を剥くのが花道か……、あるいは、オワコンと叩かれ続けても、後ろ指を指され続けても作者個人の力でメンテナンスを続けてひっそりと終焉を迎えるのが花道か……。

社会的に害悪を与えないのが後者なことは明らかではありますが、一方で、そういった気持ちでメンテナンスを続ける個人作者というのもまた理想的な姿とは言い難く。

終焉の姿というのは、こうも世知辛い。


ちなみに、利用者に牙を剥いたソフトウェアについては、その開発者の自由でしょう?という意見もある一方、地味に、他の開発者に悪影響…というか風評被害をもたらすことがあります。

先のシェアウェアの不正キー問題で怒った方がいた件については、問題発覚後、他のシェアウェア作成者の下に「あなたのソフトウェアはPCを破壊しませんか?」というような無意味な問い合わせが多数送られたそうですし、私のところにも別件に関連し「あなたのソフトウェアはキー入力を外部送信するようなことはしていないか?」みたいな問合せを受けたことがあり、とても気分が悪くなった記憶があります。

というか「そんな機能があったとして、それをあなたに教えると思いますか?w」とでも返してやればよかった…。

シェアウェアやフリーソフトの場合、ソースコードが付属されていないことが多いので、exeの実行結果は作者やダウンロードサイト・通信経路をどれくらい信頼できるかに寄りますし、OSSの場合もソースコードを読んで全てを理解して使用することは実質不可能だから、やはり作者をどれくらい信頼できるかに寄ります。他作者の嫌気で、別作品・別作者への信頼が傷つき、風評被害が生まれるのは、嫌なことです。

「あなたのソフトウェアはPCを破壊しませんか?」って、なかなかパワーのある質問だと思うんですよね。そんなに信頼できないなら、使わなくてもいいんですよ!と言い放っちゃっても良いレベルだと思います。利用者側の信頼も傷つくかと思います。ネットオークションサイトでは、出品者だけでなく、落札者も評価されますからね。それと同じ仕組みが欲しいですね。

そういえば今回の「colors.js」と「faker.js」の場合、開発者やOSSへの信頼性が傷ついたと言われていますが、金銭的支援を求められても拒否した利用者(利用会社)側の方の信用も傷ついただろうと思います。



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