INASOFT 管理人のひとこと


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■永遠に観てもらえるヘルプドキュメントのファイル形式を考えてみる

2021年10月22日(金) 0:00:00



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昨日、急に動かなくなった旧PCだったのですが、HDDの認識状況を調べるためにBIOSを調べたところ、HDDの起動優先順が逆転していて、元に戻したところ起動してくれました。

ただ、どういうわけだか、Windows 7内に存在していたWindows XP ModeのVHD(仮想ハードディスク)ファイルがぶっ壊れておりまして、Windows XP Modeはインストールし直しとなりました。

いじくるつくーる(Rnsf ver.7)のビルド工程の一部である、16bitのyaccを使う部分は消えてしまいましたが、いじくるツール(Rnsf ver.6)の付属ヘルプ「Rnsf6.hlp」を表示するためのWinHlp32は復活したことになるので、これでいつでも「Rnsf6.hlp」を閲覧できますね。

Rnsf6ヘルプ - ドキュメントライブラリから抜粋

そんなしょっちゅう閲覧しないけど。

ところで一昨日書いた通り、CD-ROMやDVD-ROMに入れば、自分の書いたドキュメントが半永久的に残される!という野望が当時の自分にはあったわけですが、WinHlp32形式で配布していたドキュメントは、現在ではそれを閲覧するソフトウェアがなくて、「残されていても見ることができない」(※1)という状況になっているわけですね。

いちおうググってみると、Windows 8.1向けWinHlp32の公式配布物から一部ファイルを抜き出し、Windows 10でも見られるようにする非公式な方法は存在しているのですが、あくまで非公式な方法です。

Windows 95での動作ができるようにと配慮していた当時、chmファイルはWindows 95では標準では見ることができなかったことから、スタンダードなヘルプファイルの形式はhlpファイルでした。このことから、当時の「いじくるツール」「いじくるつくーる」でも、hlp形式のドキュメントを同梱していました。

Windows 95での動作を考慮しなくてよくなってから(開発環境を Visual Studio 2005に変えてから)は、堂々とchm形式に移行したわけですが(1000ページ以上にもわたるドキュメントをRTFからHTMLに変えるのは、かなり苦労しましたけど、それはまた別の話)、ネットワーク上に置かれたchmを開けないとか、ネット上から落としてきたchm/ネット上から落としてきたzipファイル内に入っていたchmファイルがそのままだと開けないなど問題があるし、そもそもchmファイルはセキュリティ上の問題があるファイルと見なされていますので、chm形式が永遠に読めるとも限りません。

この形式なら確実に観てもらえるという、ヘルプファイル形式はあるでしょうか。MSDNライブラリにおけるMicrosoft Document Explorerのような存在があると良いのですが…。それは望めないので…

  • HTMLファイルをバラバラに置いて、ブラウザで参照させるか?
  • インターネット上のWebページに置いたヘルプを参照させる?(でもそれは、当初の思想からはズレる)
  • 思い切ってPDF形式か?
  • さらに思い切って、紙に印刷!
  • 石板!(古代エジプトの石板はいまだに解読できるので、年月換算で見た時のコスパは最高?)

これもなかなか難しい問題です。文字色や表、画像の仕様を放棄すれば、UTF-8で書かれたテキストファイルにするのが一番早いでしょうかね。

遠い将来、考古学者が掘り出した石板を調べたら、西暦2003年に公開された「いじくるつくーる」という個人制作のソフトウェアの付属ドキュメントと判明したとかあったら、ちょっと面白い。

【追記】

そういえば、数年前に話題になったのですが、図書館に収められているコンテンツが電子コンテンツの場合、それを閲覧する環境を保持、あるいは、アップデートする必要がある、という話がありました。

紙のコンテンツならば、(コピーや検索のしにくさや劣化の問題はあれど)比較的長期にわたり閲覧すること自体は可能なのに対し、電子コンテンツ(雑誌付録のCD/DVD-ROMなど)の場合、それを読むための環境を保全しなければならないというのもあるし、適切にアップデートしなければならないというのもある。

例えば、いまだにWindows XPのPCが置かれている図書館であれば、「早期にWindows 10やWindows 11にアップデートしないと、セキュリティ的にヤバイ」という問題が生じる。

一方で、Windows 8/8.1でないと、拡張子hlpのファイルを閲覧できない(Windows 8/8.1ならマイクロソフト社が公式にhlpを閲覧する手段を後からダウンロードさせる方式で提供しているが、Windows 10では公式な手段としては失われている)という問題もあり、そういった閲覧可能な環境を保全するという必要も生じる。

図書館司書や博物館の学芸員が、雑誌付録CD/DVD-ROM内のhlpファイルをメンテナンスしつづけて、その時その時の現代的手段で読めるようにするというのは、なかなか難しい話だろう。

htmlファイルやpdfファイルやテキストファイルも、永遠とは言えないかもしれない。

比較的単純なhtmlやテキストファイルでさえ、将来的にはどうなるか分からない。例えば、次世代Unicodeが生まれて、現世代Unicodeが多くのOSでサポートされなくなる事態が生じることだって考えられなくもない。

もちろん紙のコンテンツであっても、将来的に言語が変わったり失われることがあれば、読むのは困難になるだろうが、電子コンテンツのそれとは比べ物にならないくらい変化スピードが遅い。電子コンテンツは進化スピードが速いからこそ生じている問題なのだろう。

電子コンテンツに対する考古学のようなものが生じるとすれば、比較的近年の電子コンテンツに対しても仕事をしないといけないのかもしれない。



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