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■言葉は生き物。だけどモヤモヤ。教授と教示。議論が煮詰まると煮え切らない。モヤモヤ

2020年10月 3日(土) 0:00:00 [さくらのブログから転記]



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スタッフ部門からライン部門に対して、管理的な意味で(悪い意味でなく)上から指摘をするときに「○○をご教授ください」というメールが送られてきたとき、あるいは後輩からのメールで「○○をご教授ください」と書いてあった時。

そのメールに対して返信をするとき、最後に一言「ご教示の間違いですね」と付け加えてしまってよいかどうか、悩む。

ウゼェなこの社員!あるいは、ウゼェ先輩だな!と、自分が悪人っぽく思われたくないな、という想いが頭をもたげる。

いや、人間が社会人生活を営む上で、悪人に見られたくないなどという理想を実現することは、そもそも困難だし、教えてあげるのは悪いことではないんだろうけど。

でもまぁ、言葉はそもそも生き物であり生物(ナマモノ)であるとも言われる。

生き物とは進化するものだし、ナマモノは腐りやすい(変化しやすい)ということである。

20年前には考えにくかったことだが、「全然」は肯定的な強調表現として認められつつあり、肯定的な質問に対して「全然」の2文字だけで応答した場合も、肯定的な応答としてみなされているシーンにしばしば出くわすことがある。

先日もあるタレントさんが、番組上で「議論が煮詰まる」を「煮え切らない」の意味で使っていて、それをSNS上で指摘している人がいたが、「誤用が大半を占める言葉なら、その正確性はあまり考えない」と突っぱねているのを見かけた。

もしかすると、あと20年もすれば、「議論が煮詰まる」(本来の意味は、議論が付いて結論が導かれること)が「煮え切らない」(議論が行き詰まって結論が出ないこと)という意味として一般に広まっているのかもしれない。

そういえば、「斜に構える」は、当初は、剣道の中断で構えている状態を指し、改まって対峙することを意味するものであったが、いつの間にか(体を斜めに構えるようなイメージで)物事に対してうがった見方をし、矛盾点を見つけたら即指摘してやろう、いや、無理にでも矛盾と見なして攻撃してやろう、皮肉で不真面目な態度で臨んでやろう、みたいな意味として使われていることもある。

昨今だと、「地獄の窯が開く」(盆・暮れくらいは鬼も地獄のお仕事を休む)を、地獄界と人間界を繋ぐ門が開き、鬼たちが地獄から人間界へ出てきて大虐殺をする(=大混乱)という意味だと捉えている人もいたりするけど、それも10年も経てば正確な意味としてすり替わるかもしれない。

そんなわけで、冒頭の「教示」を「教授」と誤用しているメールに対しては、メールで本来やり取りされている大問題と比較して、それを指摘してやることがあまりにも小問題なので、指摘するのはやめておこうかなぁと思う。




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