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■「愛されるデバイスづくり」を意識するとき

2019年11月 4日(月) 0:00:00 [さくらのブログから転記]



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大学に入学してすぐ(1999年)のとき、大学から、学生に1人1台、ノートPCが貸与されました。

東芝のDynabookでした。

1999年ごろなので、入っているOSは、Windows 98。

かなり不安定で、スリープしたら絶対に復帰しないし(電源を切るしかない)、スタートボタンを押すとKernel32.dllが何かを起こしてエラーが発生したというダイアログが出たっきり、ウンともスンとも言わなくなる現象が多発していました。

なので当時は、フリーズすることを揶揄して「カーネル32」と呼んでいたと記憶してします。

あるいは、不安定なPC環境そのものを指して「カーネル32」と呼んでいたんだったか。

とにかく、ロクなもんじゃなかったです。

ただ、同じ学部内の別の学科の学生だったと思いますが、貸与されたノートPCを毎日持ち歩き、休み時間等に慈しむように使っている様子をよく見ていました。その人の環境がどの程度不安定だったのかは分かりませんが、おそらく、初めてPCというものに触れて、その素晴らしさに感化されていたのでしょう。まさしく、「愛されるデバイス」だったんだろうなと思います。

その後、小型でも中型でも大型でも、デバイスに慈しむような感情を抱くには、どういうデバイスづくりが必要になるのか、ということが、ふとした拍子に頭に浮かぶようになりました。

ひと昔前なら、お気に入りのガラケーを手に入れたとき、最近ならスマホでもよいかもしれません。

スティック型のPCや、Raspberry Piのような小型のデバイス、あるいは、スマートウォッチとかもそうかもしれません。

この使っている一瞬一瞬を慈しむように過ごし、楽しみ、なにか感情のようなものを重ねてしまうようなデバイスっていうか、なんというか。

小学校の時に使う彫刻刀みたいな、ただ道具として使う、というわけではなくて、その道具そのものに愛情みたいなものを感じる、みたいな感じですかね。

(もちろん、彫刻刀を使うプロの作家の方は、彫刻刀に愛情を注ぐでしょうし、プロの料理人は包丁やフライパン等に愛情を注ぐかもしれないので、デバイスに限った話ではないかもしれません)

この考えを発展させて、愛されるプログラム作り、みたいなこともできますかね。

exeを起動する瞬間にいとおしさを感じてみたり、なんかこう、マウスを動かす一瞬一瞬を慈しむように過ごし、楽しみ、なにか感情のようなものを重ねてしまうような感じになるような。

デバイスづくりだと自分の領域にはなりませんが、プログラム作りなら自分の領域になるので、なんかそういう考えができればすごいものができそう、とか思ったりすることがあります。




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