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■非可逆性のやり込み要素。ドラクエ4とドラクエ11。

2018年10月13日(土) 0:00:17 [さくらのブログから転記]



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以前、「ドラクエ11は面白かったが、ラスボス撃破後の継続シナリオに納得できない」という意見を、ネット上で見かけたことがありました。僕自身は、ドラクエ11を、ラスボス撃破語の継続シナリオも含めて楽しめたので、どうしてそういう意見が生じるのか、不思議に思いつつも、何か心に引っかかるものがあって、考え続けていました。

ドラゴンクエストシリーズで、ラスボス撃破後にシナリオが継続したり、真のラスボスのようなものが登場するのは、SFC版のドラクエ5からだったと思います。

ドラクエ5
ミルドラース撃破後に新たな洞窟の入り口が現れる。さらに強い武器防具が手に入り、新たなモンスターも仲間になる。最強の敵エスタークが登場する。ただし、物語としてはミルドラース撃破前に戻るため、再びミルドラースと戦うことは可能。

ドラクエ6
デスタムーア撃破後に、それまで登場しなかった新しい職業に就くことが可能。すべての職業をマスターすることで裏ダンジョンへの道が開け、その奥にいるボス「ダークドレアム」に挑戦できる。ダークドレアム撃破後は、ダークドレアムvsデスタムーアの戦闘が見られる。

物語としては、デスタムーア撃破前に戻るため、再びデスタムーアと戦うことは可能。

SFC版ドラクエ3
ゾーマ撃破後に、隠しダンジョンへ入れるようになる。ここで真のラスボス「しんりゅう」と戦うことができる。

物語としてはゾーマ撃破前に戻るため、再びゾーマと戦うことは可能。

また、エンディング後にゆうしゃをパーティから外すことができるようになる(これはFC版でも可能)。

ドラクエ7
オルゴ・デミーラ撃破後のエンディングの中で、新たな石版を入手できる。その石版を使う事で新たな世界に行くことができ、「かみさま」など様々なボスと戦うことができる。また、移民の街を広げることができる。

物語としては、オルゴ・デミーラ撃破前に戻るため、再びオルゴ・デミーラと戦うことは可能。

PS版ドラクエ4
デスピサロ撃破後に、ロザリーを生き返らせることができるようになる。デスピサロとロザリーを出会わせることで、デスピサロを正気に戻すことができるようになる。デスピサロは仲間になる。

デスピサロの武器防具を集めるために、裏ダンジョンへ挑戦可能になる。

この後、ロザリーを死に追いやった真のラスボス「エビルプリースト」と戦うことが可能。

デスピサロはパーティメンバーになってしまうため、再びデスピサロと戦うことはできない。

ドラクエ8
暗黒神ラプソーンの撃破後に、新たな洞窟に入れるようになる。その先にある場所で、主人公の生い立ちを知ることができる。裏ボスと戦闘が可能になる。裏ボスとの戦闘は回を追うごとに激しくなる。

物語としては、暗黒神ラプソーン撃破前に戻るため、再び暗黒神ラプソーンと戦うことは可能。

ドラクエ9
エルギオス撃破後、エンディングを終えても、そのまま何事も無かったように物語は継続する。

ストーリーは進行し、新しい女神の果実も手に入り、空を飛ぶためのアイテムも手に入る。

宝の地図による冒険が本格化する。

セレシアと会話することで、エルギオスとの再戦闘は可能になる。

ドラクエ11
魔王ウルノーガ/邪竜ウルナーガ撃破後、エンディングを終えても、そのまま物語が進行する。

冒険の途中で死んだ仲間と再会するために、平和になり復興しつつある世界を捨てて、時間を巻き戻すかどうかの判断を下すよう、プレイヤーに求められる。

時間を戻すと、世界を崩壊させることなくウルノーガを撃破できるが、その後、真のラスボス「邪神ニズセルファ」と戦うことになる。その過程で、様々な世界の謎を知ることになる。


ドラクエ11のシナリオ継続の仕組みは、ストーリーの中に「やり込み要素」を含ませた、面白い仕組みであったと思います。

それ以外は、ドラクエ9を除けば、後付け感がありました。

また、ドラクエ11の場合は、シナリオを継続させなくても、世界は平和になり、徐々に復興しつつあり、失った仲間の姉妹は強く成長しているのだから、そのままシナリオを終えても罪悪感はありません。シナリオを継続しないことも選択肢として可能にしたのです。

ただ、ゲーマーとして、やり込みをしないのはどうか?

知らないストーリーを残すのはどうか?という想いから、シナリオ継続を望まざるを得なかった人は多かったと思います。

ドラクエ4の場合、ラスボスに再挑戦できなくなるという制約はあるものの、世界の物語は、仲間との関係は、そのまま継続します。

ドラクエ11の場合は、世界を捨て、仲間を捨て、時間を巻き戻すことになります。勇者一人で戻ることになります。これは不可逆な選択です。

ゲームには壮大なシナリオが組み込まれています。そのシナリオに没入すればするほど、世界を捨て、仲間を捨て、勇者一人しか記憶を保っていない世界へ飛び出していくことの不可逆な選択をすることに悩み、苦しむことになります。

そこには、このゲームを進める事への、ある種の苦痛を感じる人もいるでしょう。

だから、こんなシナリオを組んでしまったことを批判したくなる人もいるでしょう。

それだけ、人の心に刺さるシナリオを書いてしまう堀井氏の技術力の高さに圧倒されているということかもしれません。




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