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■電子書籍が「できてしまう」ことから生まれる弱点(1/2)

2015年 5月11日(月) 0:00:00 [さくらのブログから転記]



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最近は、主に漫画本を電子書籍で購入するように心がけています。ほとんどをiPadで読みます。

通勤の往復で読むことのできる漫画の単行本の数はけっこう多いため、毎日必要な分を持ち歩かなければならないことを考えると、手軽に持ち運べる電子書籍化したことのメリットを、非常に大きく享受していると感じています。

また、通常の漫画本だと、「次の巻を探す」という行為に手間取ることがしばしばありますが、それがないので、巻の境目でもシームレスに次の巻へ移動できてラクチンとか、購入履歴が記録されているので、無くしても再ダウンロードすればOKとか。

なかなか便利ではあるのですが、購入履歴の記録については、逆に「電子書籍ならではの問題点」を生みそうな気もしています。


それは、「電子書籍が劣っているからできないこと」ではなくて、「電子書籍が優れているが故に『できてしまう』ための不便さ」とでも言いましょうか、そういった事態が生じることもあるのかな、と。

例えば先ほどの、購入履歴の管理ができているということは、誰が購入したのかをきちんと管理できているということ。

ある漫画本が、権利侵害等が原因で発禁・回収処分になったとかの場合。

従来の紙の漫画本ならば、誰が購入したか分からなかった物ですから、各家庭の本棚にまで入り込んで回収されるということはありえない。

ただ、購入履歴が管理されている電子書籍なら、回収することはできてしまう。

これが謎の団体からの圧力によるものとかであれば、「電子書籍の普及の名の下、一度配布した本を回収することはあり得ない」という強い意思表示で、そういったことを行わない、というのも可能かと思います。が、怖いのは他人の権利を侵害しちゃっている系。

例えば先日、ある格闘ゲームのキャラクターを無断で使用した漫画の話が有名になりましたけど、あれで、著作権侵害を理由に、単行本すべての回収が命じられたとかいう事態になったら、どうなるか。

「電子書籍の普及の名の下」で回収はしない主張をしたとしても、裁判所の命令として回収が命じられてしまうこともあるかもしれない。

かつての紙の漫画本ならば、回収しろとはいっても無理な物は無理ということも言えたでしょうけど、電子書籍だと購入者履歴があるので、回収しようとすればできてしまう。焚書が非常に簡単にできてしまう。

電子書籍は配布が電子なので行いやすいが、電子焚書もまた簡単にできてしまう。それが怖いところかな、と。

(明日に続く) [5/12公開予定]



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