INASOFT 管理人のひとこと

 

 

  FFFTPの作者が開発終了宣言をしたということで、水曜夜～木曜日にかけて、僕の周辺でもその話題で大変盛り上がっておりました。

 

  僕自身も、かなりの長い間FFFTPを使っておりましたし、会社の開発環境においては今でもFFFTPを使い続けています。

 

  僕のフリーソフトの利用期間としては、Netscape/Thunderbird、Unlha32.dllに次いで第3位の長利用期間記録を保持しており、今後もこの状況は続くと思われます。開発終了は宣言したものの、実質的には去年10月から更新は停止したわけでありこの状況は続くわけだし、公開そのものはまだまだ続くと宣言されていますから。

 

  それにしても、なかなか、開発終了宣言だけでここまで盛り上がれる機会も少ないのではないでしょうか。

 

  仮に僕が、自分の作ったソフトの開発終了を宣言したとして、ここまで惜しむ声が寄せられる自信はありません。

 

  （というか、「キーボードシミュレータのネイティブ版」については、開発終了宣言をしたことがありますが、誰も何も言ってこなかったですからね。まぁきっと、誰も使っていないんでしょう…）

 

  というのも、知名度やダウンロード数はもちろんのこと、使用頻度の差も大きいと思います。例えば僕の作ったソフトの場合、「すっきり!! デフラグ」はせいぜい月に1度、「いじくるつくーる」はＰＣ導入直後や気づいたときに数度利用すれば良い方ではないでしょうか。でもFTPは、状況によっては日々の業務で常に立ち上げっぱなしにしておくこともあるでしょう。

 

  しかしこれだけ重要なソフトであるということは、逆に脆弱性を狙われる機会も多かったと思います。というか、根本であるところのFTPプロトコル自体に脆弱性があり、こればかりは作者自身はどうしようもなかったはずです。また、FFFTPを標的としたウイルス「ガンプラー」が登場したこともありました。

 

  きっと、あちこちから叩かれたんじゃないかと思います。ユーザーからも、IPAからも。そう考えると、モチベーションの低下というのも頷けます。

 

  ただ、作者のSotaさんは、一週間という短い期間で改良版を開発したわけで、その努力には頭が下がります。多分僕なら、あちこちから叩かれたところで引きこもって、ソフトごと闇に葬られているところでしょう。

 

  ところで、FFFTPは、僕が「すっきり!! デフラグ」でオンラインソフトウェア大賞の入賞をいただいたときの、大賞受賞作品でした。高頻度で使っているソフトの作者さんということで、ぜひお会いしてみたかったんですが……残念ながら作者さんはいらっしゃっておらず。単に予定が合わなかったのか、顔出しＮＧだったのか、あるいはすでにモチベーション低下が始まっていたのかはわかりませんが、お会いできるチャンスが失われてしまったのは残念なことですね。

 

  できれば、一回お会いしてみたいものですね。きっと、窓の杜の編集部とかで作者を集めたパーティーとか開いてくれたりとか………しないかなぁ。