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■昨日の続き「安物のセキュリティソフトのやることだから、誤検知は仕方ない」論は通じるのかどうか

2022年 5月 8日(日) 0:00:00



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昨日の続きになります。

自動的に動作するプログラム(セキュリティソフトを例に採っていました)が事故を起こした場合、プログラムに成り代わり謝罪をし、責任を取り、修復するのはメーカーなり人間なりであります。ただ、セキュリティソフトがあまりにも安価な場合、メーカーが責任を負い、修復することにも限界があるかもしれない、という話でした。

安かろう悪かろう製品を購入したPC利用者にも責任があるのではないか?という話ですね。

実はこれと同じ議論を、連続誤検知事件が起きた際に、言われたことがありました。代表的な意見は、次の2つです。

  • 作者がトレンドマイクロ社のウイルスバスターを使うのをやめればよいのではないか。マイクロソフトが提供している無償のセキュリティソフトもあるのだから、そちらを使えばよいのではないか。
  • 安価で粗悪なセキュリティソフトを使用することと引き換え(購入、契約)に、誤検知が起きているのだから、仕方がないのではないか。

確かにその通りかもな…と思いそうになりますが、実は落とし穴があります。

そもそも作者が苦しめられているユーザーからのクレームとか、真夜中のプロバイダからの電話とかって、「作者がトレンドマイクロ社のウイルスバスターを使うのをやめる」ことで止まるのか?(というか、その時点で作者がウイルスバスターを使っていると、何故思ったのか? ウイルスバスターを使用している他の多くのユーザーが利用を止めなければ意味がない)

安価で粗悪なセキュリティソフトを使用する購入・契約は、セキュリティソフトメーカーとセキュリティソフト利用者の間で結ばれているものであって、第三者である作者には全く関係がない。無関係なところに飛び火して襲い掛かってくるのが誤検知問題である

このように、何かしら購入・契約などの関係がない、無関係の第三者に飛び火してくるのが誤検知問題なので、上記のような議論は意味がありません。

これは昨日書いた、自動運転車でも例えられるかもしれません。

安物自動運転車が交通事故を起こした場合。車メーカーとドライバーは、購入・契約の関係があるかもしれませんが、自動運転車に轢かれた被害者とは購入・契約の関係がありません。なので「安物自動運転者だったから被害に遭っても仕方ない」という議論は成り立ちません。

ここまで書いて思ったのですが、車の保険契約についてであれば、現在進行形で発生していることかもしれません。よく、「とある自動車保険は保険料が安い代わりに、被害者への補償金を出し渋るらしい」という話を聞いたことがあります。ただ、自動車保険の契約を結んでいるのは保険会社とドライバーであって、第三者である被害者は関係ありません。なのに、安い保険料の割を食うのは被害者だったりします。

まさしく、この関係に似ている気がしてきました。



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