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■この件に関していえば、自分はクレーマー側だったわけだが、どうすれば早期「鎮火」したんだろうか

2022年 5月 6日(金) 0:00:00



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あれから10年。解決まで1年半かかった連続誤検知事件の振り返りと、現状のご報告、残された課題」(➡コメント返し)の記事を公開した5月1日に、東洋経済ONLINEに「クレーマーの怒りを「鎮火」させる意外な一言 ~ 企業の謝罪文から気持ちが伝わらない理由とは」という記事が公開されておりました。

2012年の連続誤検知の件に関してであれば、私自身が、ここでいうところの「クレーマー」の立ち位置であったと言えるかと思います。となれば、私が早期に「鎮火」するためには、どういう対応が必要だったのか、という観点で考えて見るのも、興味深いかなと思いました。

この記事の場合、大前提として、謝罪する側が正しいことを言っているが、「何が悪いか?&本当はどう思っているか?」が伝わらない状況を置いています。 そして、これをきちんと伝えるために、「3つのお詫び、1つの約束」が必要であり、3つのお詫びとは『「出来事」「原因」「相手の心」の3つに対して詫びること』、1つの約束とは、『「未来」に向けて約束する』こととしています。

2012年の連続誤検知の件の場合、確か当初は、誤検知発生の一報をトレンドマイクロ側に伝えた際、「スクリーンショットを送ってもらわなければ、調べはじめられない」と突き返されたところから始まりました。

URLを入れれば自分で調べられるでしょうに。

その後、スクリーンショットを送付したところ、私とは違う問合せに対する回答内容の文章がメールで送り返されてきた(おそらく情報漏洩)という流れでした。

問合せをしていきなり前途多難なズタボロ対応だったこと、この間に誤検知URLが増え続けていること、この対応の悪さのことも含めて改めてクレームを入れまして、何日か経ってホワイトリスト登録によりいったんは誤検知が収まったわけでした。

サポート担当者の心の中の常識では、ホワイトリスト登録をすれば「誤検知が再発する」なんてことはあり得ないことであったため、「とりあえず解決」となり、原因については「不明(調査続行)」などの回答となりました。

しかし、残念ながら再発をしてしまうという流れになっていました。

再発したことで、社内モニタリングをすると宣言をいただいておりましたが、その中でまたまた再発ということで、本当にモニタリングをしていたのか?疑わしいという状況になりました。

この時点で、私のところに寄せられるクレームやら、中傷やら、プロバイダからの深夜の電話やら、我慢の限界が来ていましたし、対外的に発表してほしい旨をお伝えしたけれど拒否されるということもありました。

この後、ゴタゴタした状態は続いて、半年経過時点で私が匙を投げたわけですが、こうなる前に「3つのお詫び、1つの約束」ができたかどうか、検証したいと思います。

  • まず、『「出来事」について詫びること』これはできていたかと思います。なお、ここで言う出来事とは、誤検知そのもの、誤検知の再発(連続誤検知)、スクリーンショットを送らないと頑なに動いてくれないサポート担当者の事、約束していたモニタリングが疑わしいこと…と、多岐にわたっておりました。
  • 次に、『「原因」について詫びること』これは全くできていませんでした。というか、原因が分かっていませんでした。原因が分かるのは、この先、1年後です。事態が執行役員の目に留まり、体制が再構築され、部署間の情報連携が取れて、ようやく原因が判明する。サポート担当者は、サポートチーム外への情報連携ができていなかった(or うまくできていなかった)ということかと思います。これは、怠っていたと言い換えても良いかもしれません。「原因」について詫びるには、原因を知る必要があり、残念ながらその前提が整っていなかったということになります。
  • 次に、『「相手の心」について詫びること』はどうだったでしょうか? 私としては、誤検知の発生、サポート担当者への不信、モニタリングの約束への不信、クレーム・中傷対応や深夜プロバイダ対応への疲労など、ズタズタだったと思います。そんな中、原因は分からないし、対外発表も拒否している状況でしたから、私の心には何も響いていない状況でした。

    というか一度「原因を特定したので、口頭で原因を説明するので電話をさせてほしい」と電話を受けたものの、「原因はセキュリティ上の理由で話せませんが、把握したので対策をとります」という、説明にならない説明を受けて突き返したこともありました。ちなみにその後、誤検知は再発し、「特定した原因が違っていた」という連絡を受けるに至りました。

  • 最後に、『「未来」に向けて約束する』こと。これについてはどうだったか。原因の究明については、行っていると連絡は受けていましたが、この後、1年後の体制再構築まで進まなかったという状況証拠から考えると、ないがしろにされていたんだろうなと思います。約束されていたモニタリングについては、すでに不信感がいっぱいでした。クレーム・中傷対応や深夜プロバイダ対応への疲労については、私としてはトレンドマイクロ社に対外発表してもらうことで乗り切りたい考えでしたが、拒否されていました。そのため、「未来」に向けて約束することもNGでした。

以上のようなことから、本件を早期「鎮火」させるためには、条件が整っていなかったような気がします。

まずは条件を整えるため、原因究明として、サポート部隊は早期に社内のエンジニア部隊に連携を取るような動きをする必要がありました。

つづいて、相手の心への対応として、モニタリングをきちんと行い、私から再クレームが入る前に対応を入れるとか、きちんと社外発表して私の心の疲労の低減を図るとか、そういった対応が必要だったろうと思います。

そして、『「未来」に向けて約束』として、上記のことをきちんと約束する必要がありました。

残念ながら原因を聞いても、セキュリティ上の理由を盾に教えてもらえず、しかしきちんと対策するから認めてほしいとお願いされ、しかし結局再発して原因が違いました、となる。

話を聞いても「セキュリティ上の理由」を盾に無回答。クレームを上げても「貴重な意見としてエスカレーションする」と返事をするだけで、実際には何もしない(していたかどうかわからないが、状況証拠として、1年間は何も起きなかった)。

結局のところ、当時のトレンドマイクロの担当者のやっていたことの「真逆」をやらないと、早期の「鎮火」なんてしなかったんだろうなと思います。

  • 「セキュリティ上の理由」を盾に無回答というのをやめて、きちんと理由を説明する。説明文を作成する過程で、サポート部門だけで内々に解決をするのではなく、部門間連携を図り、社内エンジニアにきちんと原因を探ってもらうことになったかと思います。
  • 私の心の疲労の軽減を鑑み、きちんと社外向けに発表をする。
    ちなみに社外向け発表を拒否していた理由は、「あなたのプライバシーが侵害されるから」とのことでしたが、この状況(私がクレーム・中傷にさらされている)に至ってまで私のプライバシーを盾に取るとか、意味が分かりませんので、ただ単に面倒くさい(サポート部門だけで内々に解決したい。エンジニアに連絡を取りたくない)ということだったんだろうなと邪推します。
  • クレームを上げても「貴重な意見としてエスカレーションする」と返事をするだけにするのではなく、誰に、いつまでに伝えて、具体的にどういうアクションを起こすかを約束する。

こういう視点でとらえてみると、1年経過した後に、事態を再認識した執行役員の取った行動は、まさに正しい対応だったのかなと思います。きちんと公表可能な情報の中で説明を受けましたし、何より再発をしていないことが「原因を正しく突き止めた」証拠でしょうし、そうするために部門間連携を図りましたし、私が求めた社外発表をしましたし、また、エスカレーションという意味では「役員が動いた」「副社長が謝罪文を出した」なので、最上級のエスカレーションが行われたとも言えます。



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