INASOFT 管理人のひとことフリーソフトダウンロードサイト「INASOFT」の管理人 矢吹拓也 が日々の「ひとこと」を語るページです。 2021年1月1日より、旧ブログ(blog.inasoft.org)からお引越ししました。 ・INASOFT Webサイト: https://www.inasoft.org/ ・管理人のふたこと(長文記事/寄稿文): https://www.inasoft.org/talk/ 2022年7月下旬より再び本業多忙化してきているため、更新頻度は落ちます。 [2022/7/24 19:32] Tweet ■少し前に「リーマン予想を証明したと発表」って話が話題になったけど2018年10月 5日(金) 0:00:00 [さくらのブログから転記] |
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少し前に、Twitter上で、エライ数学者さんが「リーマン予想を証明したと発表」したと話題になっていました。 そのまま、素数の秘密が解かれたからインターネットの暗号化の仕掛けが危ういとかなんとかとか、色々とざわついていました。 いちおう、私は大学では数学科を出ているので、この手の話題は注意深く見させてもらっています。 リーマン予想は素数の分布と関連する、数学におけるある未証明の予想であるわけですが、まだその発表された証明が正しいことが分かったわけではなく、発表された段階なので、慌てるのはまだ早いです。 その証明が正しいかどうかの検証に、通常は数年程度の期間を要します。 そのエライ数学者さんはこれまでも様々な証明を行い、かなり実績のある人物とのことですが、それと同じくらい雑な証明を提出していて却下されているとのこと。今回のリーマン予想の証明に当たる部分もだいぶ雑だそうなので、これで証明が完成したというには、だいぶ早いかな、と。 ただ、2000年代前半にロシアの数学者がポアンカレ予想の証明をした際も、当初は誰も理解できない難解すぎる証明が行われていたものの、数年かけて多くの数学者が検証し、雑な部分は保管され、最終的に正しいこと分かったということもありましたので、落胆するのもまだ早いです。 そういえば、1995年にフェルマーの定理(フェルマー・ワイルズの定理)が証明された際も、証明の検証にかなりの期間を要し、その過程で致命的な問題が発見されつつも、後に複数人でその問題を克服して、正しい証明に至ったってのもありましたし。 で、インターネットの暗号化の仕掛けが云々については、まだまだそんなことはないと思います。 なにせ百年以上前に「予想」されていたものなのですから、悪用したい人がいるならば、とっくに悪用されているはずです。 素数の分布が分かっても、暗号化のキーとなる巨大素数を直ちに求める方法が見つかっているわけではないので。 もしインターネットの暗号化の仕掛けに綻びが生じるとするなら、こういうことでしょう。
今のところ素数の分布の理解が向上するところまでは進んでいませんし、候補を絞りやすくなって目的の素数を高速に探索する方法が見つかっているわけでもありません。 現代の暗号化の仕掛けが破綻するのは、もう数ステップ先の話だと思っています。 目次の表示: ブログではないので、コメント機能とトラックバック機能は提供していません。ご質問・ご意見等はメール、フィードバックまたはTwitter等からお願いします。いただいたご質問・ご意見などは、この「管理人のひとこと」の記事に追加、あるいは新規の記事にする形で一部または全文をそのまま、あるいは加工させていただいた上で、ご紹介させていただく場合があります。 当サイトでは掲載内容による不具合等に関する責任を持ちません。また、内容の正確性についての保証もありませんので、情報をご利用の際は、利用者の自己責任で確認をお願いします。 |
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