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■違法無料物と戦う漫画業界とフリーライドに思うこと

2018年 1月24日(水) 0:00:00 [さくらのブログから転記]



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昨日は少し早めに帰宅して、ある動画変換ソフトのステータスバーの値が変わったら、次の操作(ファイルコピー)を自動実行するようなツールを自作しようと意気込んでいたのだが、その動画変換ソフトのステータスバーは独自描画だったので検出できず。無念…。

(このアプローチについては無念だったのですが、寄せられたコメントで、プロセスの終了を検知して継続動作を作ることができることに気づきましたので、問題は解決しました)

無念ついでにTwitterを眺めていたのですが、「漫画村」というキーワードが目に付くようになっていたので、追っていました。
どうやら、著作権者に無断で、無料で漫画を公開している違法(脱法?)サイトらしいですね。

そういえば以前にもこの件を気にしかけていたことがあったのを、ちょっと思い出しました。

で、色々見てみると、

  • そもそも違法と認識していないユーザーが多そう。
    (法の網の目をくぐり抜けて脱法と述べている人もいるが、詳細は不明)
  • 無料だから当然こっちの方が便利と思うだろう。
  • 違法なこともそうだが、ウイルスやワームの感染源になっていることの周知が必要。
  • 違法以前の問題として、漫画家や編集者が食っていけなくなり、漫画文化が衰退していくことに、ユーザーは気づいていない。

等々。まぁ、違法なのでそもそも良くないことなのですが、それでも人はなぜか、違法物でも見ようとするのはなぜなのか。

アニメを見れば、アニメ開始時に画面下に「最近違法にネットにアップしている奴がいる」と表示されるとか、映画を観に行けば「映画泥棒」の映像を見せられるとか、とにかく違法物との戦いは後を絶ちません。

で、今日気になったのは、この意見でした。

狂った意見のように見えそうにもなるけど、もしかするとこれが自体の本質なんじゃないかなぁとも思えてきたり。

https://twitter.com/pepecigod/status/955497235009044480

結局の所、「その場で快楽を得る」手段が得られれば良いだけで、適法かどうかとか、文化が潰れるとか気にしていたりしない。

違法サイトが原因で漫画が潰れても別の漫画に乗り換えるし(そもそも漫画が潰れたことにも気づかない)。

漫画文化が潰れても、他の快楽を得る手段に移るだけで、漫画文化があったことすら気にしない。気づかない。

世の中、これだけ快楽手段が溢れてしまっていますからね。ユーザーの時間を、映画、テレビ、音楽、ゲーム、スマホ、…など、様々な快楽が奪い合っている状況です。

現在の状態を「満腹の王様に食事を提供しあっている状態」なんて揶揄する人もいますけど、現在の社会における快楽手段提供の状況って案外そんなもんなのかも知れません。

そんな中の一つの存在「漫画」が、文化の存続をかけて/適法性をかけて呼びかけをしても、あまり効果がないのかも知れません。

なぜそう感じたかというと、理由は2つ。


1つは、フリーソフト配布サイトの広告の件。

以前、広告ブロックソフトを使っているのはフリーライドだからと、広告ブロック避けのJavaScriptを仕込んでみたことがありました。

フリーソフト作者だって、霞を食べて暮らしているわけではないですし、そもそも、サイト維持にもそれなりに費用が掛かっています。

その費用の補填すら拒否するのって、どうなの?という思いからです。

ただ、いきなりクレームのメールが来まして。

その方は自分の正当性を盛んに主張されていましたが、結局、フリーソフト作者も生きているんだということとか、サイトの維持がどうかとかなんて、全く考えておられないのです。

(例えば、広告による帯域占有とか、このブロードバンド時代にどれだけ意味を持つ主張だよ、と)

多分、僕が潰れても、あるいはサイトが潰れても、他のソフトを使うだけでしょうし。

そもそも、なんならパソコン自体、家庭では使われない世の中になりつつあります。僕やサイトとが潰れても、ユーザーは困らないのです。

似たような話で、ネット上の違法配布されているエロ動画の問題もありますね。

これなんかもっと簡単な話で、見ている人は、その場の快楽をパッと得られれば良いだけで、コンテンツ作成者(女優さんや監督さん)が生きていけるかとか、深いことまで考えてないでしょう。女優さんも監督さんも霞を食っているわけではないでしょうし、場所代・小道具代・その他諸々維持費用が掛かっています。

そういえば、最近熟女モノが多くなってきていて、その理由は、正当に購入orレンタルしている人の年齢が上昇してきているからとか言われているのを聞いたことがあります。たぶんこの年齢が上限に達したとき、アダルトビデオは文化として消え去るのでしょうかね。でも、違法視聴していた人は困りません。別の快楽手段に移るだけなので。

テレビの民放放送のCMについても、同じ事が言えるかも知れません。

CMスキップ機能の付いた録画機が登場してからだいぶ経ち、当たり前のような存在感を放っていますが、果たしてその機能は当たり前なのか?

番組作成者の食い扶持を奪ってはいまいか?

CMスキップ機能が違法なわけではありませんし、家庭内複製が違法と考えるのは著作権を高く見積もりすぎです。ただ、CMスキップに関して考えると、番組作成者だって霞を食っているわけではないし、そもそも放送局維持にもそれなりに費用が掛かっているでしょうし。

そりゃ、4K/8K配信で録画禁止とかしたくなる気分にもなるでしょう。ただ、テレビ離れを加速しそう…というジレンマも抱えてしまうでしょう。

2つ目は、違法音楽と違法レトロゲームを、最近めっきり見なくなった件。

一昔前は、CDをリッピングしてネットに違法にアップロードして共有するサービスが跋扈していた気がします。ただ、最近では適法で有償な音楽配信サービスの名前の方が、よく聞かれるようになったと思います。

また、かつてはレトロゲームのROM内容を吸い取って、ネット上で入手可能にして、PC等で遊べるサービスを多く目にしていましたが、最近では全く見なくなりました。代わりに任天堂やソニーは過去のゲームを安価で販売し、すぐに遊べる土壌が整っています。

そういえば、AppleがiTunesのサービスを始めるにあたり「違法な音楽共有とは競争して勝つつもりだ」と宣言したとかいう話がありました。

おそらく、Appleや任天堂、ソニーといった企業は、違法な共有手段と比べて便利な手段を提供することで、結果として、違法な手段に勝ったということなのでしょう。

例え有料だとしても、便利な土壌を提供するのなら、無料なものに勝てるということかもしれません。

「その場で快楽を得られて満足」するための手段を、違法で無料なサイトよりも便利に提供できれば、人は有料でも手に取るということかもしれません。

漫画業界は、今の電子書籍サービスの提供形態はユーザーに不便を強いているということを感じられれば、有料であっても、違法無料サイトからユーザーを奪い返すこともできるかもしれません。

さて、ちょっと話は戻りますが、この考えに基づいて、フリーソフト配布サイトの広告ブロックの件は、どう解決すれば良いでしょうかね。

広告ブロックを使うよりも、広告ブロックを使わない方が便利だと思わせるような手段を提供するとか。
あるいは有料化/シェアウェア化/寄付施策強化など別の手段を採るべきか。

僕の場合は、今のところ、維持費用負担感よりも作成・配布のモチベーションがギリギリ上を行っているため、公開を継続しています。

(広告ブロック避けのJavaScriptを取りやめたのは、広告ブロックソフトを入れていないのに、遮断されてしまう事例が確認できたため)

でも、維持費用負担感が上回ってきたなと感じたら、その時はサイトの公開を止めることになるかなと、楽観的に思っています。

ユーザーの利便性云々とか社会的意義云々とか色々言われそうですが、少なくとも僕は困らないので。



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