INASOFT 管理人のひとことフリーソフトダウンロードサイト「INASOFT」の管理人 矢吹拓也 が日々の「ひとこと」を語るページです。 2021年1月1日より、旧ブログ(blog.inasoft.org)からお引越ししました。 ・INASOFT Webサイト: https://www.inasoft.org/ ・管理人のふたこと(長文記事/寄稿文): https://www.inasoft.org/talk/ 2022年7月下旬より再び本業多忙化してきているため、更新頻度は落ちます。 [2022/7/24 19:32] Tweet ■Windowsのバージョンアップは機能が切り捨てられているのか?2013年 4月13日(土) 0:01:00 [さくらのブログから転記] |
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4月9日の、「公開ソフトの、サポートOSの切り捨て時とは」の記事を公開してから、いくつか反響をいただいたのですけど、いくつか聞いていた思ったのが、「OS更新で、アプリの切り捨てが発生してしまう理由」が、あまり理解されていなかったようです。 よくある勘違いとしては、「OSがバージョンアップに際して、機能を切り捨てている」という誤解ですね。 他のメーカーのOSと比較し、基本的にマイクロソフトはOSのバージョンアップに際し、過去の機能の保全をとても重要視しています。この点については、マイクロソフトはさすがと言ったところ。 とはいえ、切り捨てたモノがなかったわけではなくて、 (1)64bit版のWindowsでは、16bitアプリケーション(Windows 3.1やMS-DOS用のアプリケーション)を切り捨てた。 →16bitアプリなんて使っていない人が多いと思いきや、インストーラやコンパイラなど、影の部分で活躍していることが多かったのが誤算で、多少の混乱が生じた。 その解決のため、Windows 7のProfessional以上では、Windows XP Modeを標準で付属した。 (2)ユーザー アカウント制御(UAC)の導入で、多数のソフトが、そのままの状態では正常に動作しなくなった。 →悪名高いUACですね。ただし、互換性のためのプロパティ設定をすれば動きます。素人に理解可能かどうかは別として。 (3)度々行われるフォルダ構成の変更。 →該当のフォルダのパス(デスクトップフォルダの物理位置など)を、正しくない方法で取得している場合(固定文字列として保持している場合など)、そのソフトは正しく動かなくなる。 というのもあったりします。が、これは微々たるモノですし、(2)と(3)については、どちらかというとアプリケーション側に原因があるとも言えるので、マイクロソフトのせいばかりにはできないのが実態です。 が、これらの事象は「OSのバージョンアップを契機として」起こるため、あたかも「OSのバージョンアップが悪い」といった誤解を招きます。 それからよくあるパターンとしては、 (4)新バージョンでは、APIを呼び出す際の引数検定が厳しくなり、APIが不正な呼び出し方をされるとソフトは強制終了される。 というのがありますね。 メモリ管理の甘いアプリケーションとか、説明書では許されていない箇所にNULLを設定してAPI呼び出しをしているアプリケーションとか、「お行儀の悪い」ものについては、新バージョンのOSでは落とされたりします。 こういうのって、実はアプリケーション側にバグがあったにも関わらず、API側に検定が存在しなかったり、検定が甘かったりするせいで、バグが顕在化しなかったものなんですね。 特に、API引数に文字列を取るモノや、長いバイナリデータを与えるモノについては、OS側がその検定をしないことで、深刻なセキュリティ問題を生じさせることがあったりします。 だからOS側にしてみれば、「機能の切り捨てをしている」わけではなく、「より正しく動くようにする」「セキュリティを強化している」行動だったりするんですね。 ただ残念ながら、アプリケーション側では、その「検定の甘さ」に依存して作られてしまっている(バグが顕在化していない)状態だったりするので、「偶然にも」旧バージョンのOSでは動いてしまっていて、新バージョンでは「正しく」動かなくなった、と、そんなところ。 ところで、こういう誤解が生じてしまう理由は他にもあって、マイクロソフトの公開するOSは、ほとんどの場合「発売開始直後は品質がとても悪い」という事情もあったりします。 「新しいOSが発売されても、SP1が公開されるまでは乗り換えるべきではない」という意見がまかり通るほど。(*1) 特 に、「Windows Me」や「Windows Vista」のあたりの品質が悪かったことは、多くのシステム管理者の頭を悩ませました。ドライバ周りの不具合は、即ブルースクリーンに繋がるため、発売 直後のOSを入れることは、システム管理者の頭痛の種を増やすことに繋がります。 そういったことから、Windowsのバージョンの切り替えは、非常に敬遠されることになるわけですね。 (*1) とはいえ、Windows 7の品質は、発売直後から非常に良かったようですから、最近ではその事情も当てはまらないのかもしれません。 (Windows 7は、内部構造的にWindows Vistaのマイナーバージョンアップであったので、品質が保持されたという理由もありますし、サードパーティ製のアプリケーションの対応度が、 Vistaのおかげで「馴らされていた」という事情もあるかもしれません) Windows 8についても、(その仕様の悪評はともかくとして、マイクロソフトの定めたとおりの動きをするかどうかとしての)品質は良いようですね。 ※参考:2013年4月 9日 公開ソフトの、サポートOSの切り捨て時とは ※補足:2013年4月18日 「OSを動作対象から外す」が意味するところは人により違うみたい 目次の表示: ブログではないので、コメント機能とトラックバック機能は提供していません。ご質問・ご意見等はメール、フィードバックまたはTwitter等からお願いします。いただいたご質問・ご意見などは、この「管理人のひとこと」の記事に追加、あるいは新規の記事にする形で一部または全文をそのまま、あるいは加工させていただいた上で、ご紹介させていただく場合があります。 当サイトでは掲載内容による不具合等に関する責任を持ちません。また、内容の正確性についての保証もありませんので、情報をご利用の際は、利用者の自己責任で確認をお願いします。 |
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